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5Gに6億ドルを投資、並々ならぬ決意とは

5G最前線を追う! ファーウェイの上海R&Dセンター見学記

2015年09月24日 09時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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 華為技術(ファーウェイ)の上海R&Dセンターを見学してきた。中国国内では深センに次いで2番目に大きい研究開発拠点で、無線技術と端末を研究開発している。「研究開発への投資」を成長の原動力の1つとする同社は、2009年から5Gの研究開発を始め、2018年までに6億ドルを投資する予定だ。そんな5Gの最前線をレポートする。

上海R&Dセンター

研究開発テーマ

ファーウェイ成長の4つの原動力

 ファーウェイは1987年設立の民間企業だ。2014年に「Fortune 500」で285位に選出されるなど、中国発のグローバル企業として最も勢いのある企業の1つである。

 事業は「通信事業者向けネットワーク事業」「コンシューマ向け端末事業」「法人向けICTソリューション事業」の3つ。売上高(2014年度)は2882億元(約5兆5507億円)で、事業別にみるとそれぞれ67%、26%、7%の売上を占める。

2014年度の業績

 世界170カ国で事業を展開しており、地域別売上構成は「中国(38%)」「欧州・中東・アフリカ(35%)」「アジア太平洋(15%)」「南北アメリカ(11%)」。中国以外では欧州・中東・アフリカ(EMEA)が急成長(前年比20.2%)を遂げている。

 従業員は全世界で17万人以上で、R&Dに従事するのはそのうち約7万6000人。R&Dセンターは世界16カ所で、研究開発費は2014年度に408億元(約7858億円)、2005年度からの累計で1900億元(3兆6594億円)に上る。

 Huawei VP, International Media Arrairsのジョー・ケリー氏によれば、ファーウェイの成長の原動力は「ICTの発展期という好機」「研究開発への投資」「国際水準の経営管理体制」「従業員持株制度」にある。

 特に「研究開発への投資」については、「従業員持株制度」を採用することで数十年先を見据えて柔軟に投資でき、それがファーウェイを支える重要な屋台骨だという。

Huawei VP, International Media Arrairsのジョー・ケリー氏

 その拠点の1つである上海R&Dセンターでは、主に無線技術と端末の研究開発を行っている。中国国内では深センに次いで2番目に大きな研究開発拠点で、敷地面積は27万7000m2。「上海で一番長い建物」という。在籍する研究員は1万人を超える。

設置場所に適したさまざまな無線基地局

 建物に入ると、近代的ながら落ち着いた空間が広がる。ところが2階に上がり少し進むと、まるで海の中のように真っ青な空間が広がる。同施設の研究開発内容を紹介する展示スペース。そこでまず目につくのは、多彩な無線基地局設備だ。

内部は近代的ながら落ち着いた空間

突然海の中のような展示スペースが広がる

 POWER/BBU(電源バックアップユニット)/RRU(遠隔無線装置)をユニットごとに増設できるもの、電柱への設置を想定した円柱型のもの、電灯とともにデザインされたものなど、さまざまな形状の無線基地局が並んでいる。

 無線端末の増加・多様化に伴い、設置場所を確保するのも簡単ではなく、こうした多彩な無線基地局が求められているのだという。

各ユニットを増設できるもの、円柱型のもの

電灯とともにデザインされたもの

 「Pico」と名付けられたWi-Fiルーターもあった。PoEで電力を供給できる店舗設置用途のものだ。有線LANにつなぐだけで使えるため、店舗の天井や壁に柔軟に取り付けられる。

Picoと名付けられた基地局

PoEで給電できる

オペレーションの効率化が課題に

 一方、さまざまな無線規格が混在する現在では、いかにオペレーションを効率化するかも課題となっている。

 そこでファーウェイが開発するのが、「Thinking Network」と題して、マルチモード、マルチレイヤー・ネットワークを自動制御する「SingleSON」(2011年発表)という技術だ。

 GSM、3G、LTEと混在する無線ネットワークにおいて、無線基地局のパラメータ自動設定機能や、特定の無線ネットワークが混雑した際に、近隣の無線エリアに接続を受け渡しする機能を備える。

 こうしたマルチモード、マルチレイヤー・ネットワークを1基で処理するチップ(Multi Mode on Chip)も展示されていた。

Multi Mode on Chip

(→次ページ、そして、5Gへ――15Gbpsのテスト結果も

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