日本HPは11月26日、企業向け大判プリンター「HP DesignJet」シリーズの新製品5機種の販売を開始した。
建築/製造/設計(AEC)分野、地理情報システム(GIS)分野および教育市場向けに、エントリークラス初のA0対応複合機「HP DesignJet T830 MFP」とプリント専用機「HP DesignJet T730」を追加。また、ミドルレンジの高生産性モデルの後継機として「HP DesignJet T930 HDD 」、「HP DesignJet T1530 HDD」、「HP DesignJet T2530 MFP HDD」を発表した。
HP DesignJet T830 MFPは、テクニカル市場や教育分野向けの低価格で軽量コンパクトかつ可搬性の高い大判複合機。A0サイズ対応ながら、一般的なA1複合機と比べて設置面積が小さい省スペースモデル。内蔵スキャナーと、タブレット端末から操作も可能なフロントパネルを備える。
建設現場の仮設オフィスなど、粉塵や頻繁な搬送、衝撃などに耐える必要がある環境下では、防塵性と耐衝撃性を強化する「HP DesignJet ハードプロテクトケース」を2016年1月よりオプションで提供する予定だ。ハードプロテクトケースに付属する強化されたホイールとスタンドにより、建設現場などの整備されていない路面での移動が可能だ。
914mm幅(A0サイズ)のスキャナーを搭載し、オフィスや建設現場でモバイル端末を使って図面の修正やスキャン、ファイルの共有ができる。本体に搭載したタッチスクリーン上で、正確なプリントプレビューが可能だ。
HP DesignJet T730 は、スキャナーを搭載しない、A0対応のプリント専用機。HP DesignJet T830 MFP、HP DesignJet T730の共通の特長は以下の通り。
プリントスピードはA1サイズで最速25秒。カット紙トレイを標準搭載し、ロール紙の他にA3、A4の用紙を最大50枚セット可能。利用状況に応じてインクカートリッジのサイズを40~300mlの間で選択でき、ランニングコストの削減が可能だという。カートリッジのサイズはカラー40/130/300ml、ブラック69/300mlを用意。スタンドは工具無しで取り付けや取り外しが可能だ。
さらにWi-Fi Directに対応し、内蔵のWi-Fiネットワーク機能を使用してルーターなどを経由せず直接モバイルデバイスに接続し、プリントファイルの送信やプリンターの操作が可能だ。
テクニカル向け3機種
テクニカル市場向け新製品3機種は、セキュリティ機能を強化し、フロントパネルロックやIPsec対応に加え、新たに出力したプリントの取り間違えを防ぐ、PINプリントを搭載する。
A0プリンターのスタンダード機HP DesignJet T930 HDDは、小~中規模の企業向けに、生産性向上に加えて、情報を保護するセキュリティ機能を強化。HP独自のグレーインク搭載する。
HP DesignJet T1530 HDDは、ロール紙を2本装着可能なデュアルロール対応のA0プリンター。50枚のプリントをページ順にスタックできるインテグレーテットスタッカーを備え、プリント量の多い環境において、ワークグループの生産性とプリントのセキュリティを提供するという。
HP DesignJet T2530 MFP HDDは、タッチスクリーンにより直感的なプリント、コピー、スキャンの操作が可能な、ダブルロールとインテグレーテッドスタッカーを搭載したA0複合機。A1サイズを21秒でプリントし、1秒間に64mm(2.5インチ)のカラースキャンが可能だ。
さらに今回、iOSやAndroidを搭載したモバイル端末からHPの対応プリンターや複合機でプリントやスキャン操作ができる無料のモバイルアプリ「HP AiO (All-in-One) Printer Remote」が大判プリンターにも対応した。ワイヤレスインターネット接続やWi-Fi Directを使用したプリント、電子メールを使ったePrint対応プリンターへのプリントといったモバイルプリント機能を外出先でも利用できるという。モバイル端末を使ったスキャンやファイル共有がより容易になり、DropboxやBox、Google Driveなどのオンラインストレージに直接ファイルを保存することも可能だ。対応OSは、iOS 7.0以降、Android 4.4以降。