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Tinyや一体型など、ThinkCentreもラインアップ一新

Xeon搭載、拡張性にも優れた最強ThinkPad P70/P50の中身

2015年11月18日 09時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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 レノボ・ジャパンは11月17日、都内で記者会見を開き、Xeon搭載のモバイルワークステーション「ThinkPad P70/P50」など、新製品を発表した。

ThinkPad P70。4K液晶パネルも選択可能でCADやグラフィックス処理も高画質にこなせる。

Xeon搭載の最強ThinkPadが登場

 世界初のXeonモバイルワークステーションとして米国で8月に発表していた製品。第6世代のCore i7プロセッサーに加え、ノートでは珍しい、Xeon E3-1500M v5ファミリーを選択できる。GPUはMaxwell世代のQuadro、ディスプレーも4Kまでの解像度が選べる、17.3型と15.6型の2種類のサイズがあり、拡張性(端子の数)・光学式ドライブの有無・搭載可能なGPUの種類などが相違点。ただしそれ以外の基本仕様は共通化されている。

CADでの使用を考慮してタッチパッドの上下に3ボタンを用意。

P70はDVDも装備している。1個だけだが左側面にもUSB端子を持つ。

右側面にはUSB3系統とMini DisplayPort、SDカードやExpressCardスロットを装備。

猛烈に高い拡張性が売りだが、ドッグをつけるとUSB天国になる。本体背面にはThunderboltを2系統(USB 3.1 Type-C共用)。HDMIとLANが背面にあるのも机上設置を考えると使いやすそう。

こちらはThinkPad P50。端子類が若干少ない。

ThunderboltとType-C共用端子は、1系統だけだけだが、こちらも備える。

 また、最大64GBのDDR4メモリーや最大2TBのHDDまたは最大1TBのNVMe SSDを搭載可能。USB 3.1 Type-C/Thunderbolt 3共用端子、ExpressCardスロットを持つなどハイスペックにこだわっている(関連記事)。GPUに関してもP70でQuadro M5000M、P50でQuadro M2000Mまで選択が可能。エントリークラスの据え置き型ワークステーションの置き換えも想定している。

ポートフォリオ的には、P300など小型筐体のエントリーワークステーション並みの性能を持つ。

 技術的な特徴としては、“FLEX Performance Cooling”と名付けた冷却機構、バッテリー駆動時にもCPU性能が落ちない“Lenovo Automatic Turbo Boostテクノロジー”の2点。

 “FLEX Performance Cooling”は、CPU側とGPU側それぞれに取り付けられたファンのヒートパイプを連結・共用することで効率的な冷却を目指す技術。長いパイプを使用し、CPUとGPUの間で相互に熱を伝導させる。つまりCPU負荷が高い処理を実行している間は、GPU側に、GPU負荷が高い処理の場合はCPU側に熱が動くので、1本のヒートパイプでも効率的な冷却ができるわけだ。これは容積に制限のあるノートでは大きな利点となる。

冷却機構の解説。右にCPU用、左にGPU用のファンを離して置いていて、ヒートパイプを共用。熱は高いほうから低いほうに伝導するので、筐体内でうまく拡散する。それを両側のファンから排気する仕組み。。

 放熱性能も高く、体感温度は約20%低減。ファンの回転数も落とせるため、動作音も約15%抑えられるという。冗長化という意味では、一方のファンが出先などで急に故障しても、片側から排熱し、ある程度冷却性能を維持できる。レノボの説明では、50~60%ほど処理性能を落とせば、継続利用できるという。

 一方“Lenovo Automatic Turbo Boostテクノロジー”は、CPUの動作クロックを長時間、高いレベルで保てる技術。CPUを最大クロックで動作させ続けると、消費電力と発熱が高くなりすぎるため、一般的にはごく短時間だけ高負荷をかけ、すぐに性能を落とすことで、処理性能と消費電力/発熱のバランスをとる。ThinkPad P70/P50では、高い冷却性能を生かして、より長い時間、高性能を維持できるよう制御するわけだ。第6世代のCPUとの組み合わせに最適化しているという。またオーバークロックではなく、定格動作内での制御になるため、信頼性も高いとする。

バッテリー駆動だと性能が落ちるので、大きなACアダプターを持ち運ばないといけないという、ワークステーションユーザーの悩みにこたえる形。

 説明では、この機能をオンにすると、4K解像度のMP4動画を1Kにトランスコードする処理で、約10.3%の性能向上が得らたとのことで、上位CPUの選択によるコスト増なく、マシンをストレスなく使える点を訴求している。また、バッテリー動作時にも有効化できる。他社メーカーの同等性能機をレノボが調査したところ、ACアダプター駆動時の性能を100%とすると、バッテリー駆動時では性能が8割近く(22.6%まで)も落ち込む場合があったという。ThinkPad P70では、87.0%程度の性能を維持できる。

 もちろんバッテリー駆動時にCPUをぶん回せば、駆動時間が減るわけだが、この点は冷却機構など、周辺パーツのバッテリー消費を最適化することで、バランスをとっている。ThinkPad P70のバッテリー駆動時間は公称で約10.5時間を確保。また本体の厚さもP50で25㎜以下、P70で30㎜以下と、いずれも性能を考えれば長く、薄い。

オプション類の豊富さはThinkPadならでは。

 またフルHDモデルではタッチパネル搭載モデルも用意。2048LOPSのThinkPad Pen Proや6つもUSB端子を増やせるThinkPad Workstaion ドックなどオプション類も豊富に用意するなど、ThinkPadらしい拡張性と高性能を備えた製品となっている。カラーキャリブレーション用のセンサーもオプションで追加できるので、グラフィックス用途でも大いに活用できる。

 なお、外部モニター出力はMini DisplayPortとHDMIを持つが、ご存知の通り、Thunderbolt端子も映像信号を出力できる。P70を例にとると、以下のようなつなぎ方をすることで、最大5画面の同時利用が可能になるとのこと。

マルチモニタ接続例
Screen 1. LCD
Screen 2. Thunderbolt Type C to DisplayPort (Left)
Screen 3. Thunderbolt Type C to DisplayPort (Right)
Screen 4. Mini DisplayPort
Screen 5. Multi-Stream Transportモニター デイジーチェーン接続) *Screen 2, 3 または4 経由

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