背面スロットは6基、リア冷却ファンは120/140mm×1が搭載可能で、全モデルが標準で140mmファンを搭載する。冷却ファンを固定するネジ止め穴がスリット状でファン搭載位置を上下に調節できる。このギミックはラジエーター搭載時に位置を微調整できるので便利だ。電源ユニットは背面から差し込んでデュアルチャンバー下部に収める
「Pro 5」はケース上部には全長240mmの大型ラジエーターまで固定できる水冷クーラーブラケットを搭載し、ラジエーターとブラケットを隠すトップカバーが付属する。標準モデルにはこのブラケットとトップカバーが付属しないものの、必要な機能なら後から追加できるのが「MasterCase 5」シリーズを選ぶメリットだ
3.5インチシャドウベイは標準モデルで2基、上位モデルで5基搭載する。シャドウベイはオプションパーツのモジュールとして追加でき、選択できるHDDケージが2HDD搭載可能ケージ、3HDD搭載可能ケージの2種類あり、写真では2HDD対応ケージをケースに固定している。HDDの固定トレイはネジ不要タイプだ
シャドウベイのレイアウト変更も自由自在。エアフロー状況や搭載PCパーツに合わせて位置を変えていこう。一般的なケージレイアウト調整はおおまかに上段・下段といった変更が可能なのものが多いが、本製品はHDDケージの固定穴・ネジ穴は細かく大量に用意されており、上下位置を数センチ単位で細かく調整できる。
2.5インチシャドウベイは板状のケージ型で、ベイ2基が標準搭載される。写真のようにデュアルチャンバー境界部に固定する。手回しネジ1本だけで固定できるので着脱はとても簡単だ
マザーボード裏側にも2.5インチシャドウベイを固定可能だ。シャドウベイの搭載位置の自由度が高いと、それにともなう配線の取り回しの自由度も高くなる。キレイで無理のない配線にできるケースは「組み立て時のカスタマイズ性」も高いということだ
3.5インチシャドウベイのHDDケージを取り除くと全長280mm(厚さ40mm)まで対応できるラジエーター搭載スペースが出現する。また、ケージなしの場合なら全長412mmのビデオカードも搭載可能になる。ケージ搭載時は全長296mmまでのビデオカードに対応する
ここイイな! と感じたのは、電源スイッチ周りから引き出された配線の処理だ。ベルクロテープが付属するのはよくあるが、さらに配線がケース内で邪魔になりにくいように溝が切られている。こうした気遣いのあるPCケースは意外と少ない
ケース下段にあるブラケットは3.5インチHDDケージを固定するためのもの。つまり本製品は最大で3ケージを固定できる。そのブラケットの裏側にはSSDを固定できるネジ穴が切られおり、HDDケージを固定しない場合でも2.5インチベイとして使える工夫がしてある。このブラケットが不要なら手回しネジ1本ですぐ外
ケース背面下部にダストフィルターを格納する。本製品の底面エアフローは電源部のみにメッシュが設けられており、HDDケージを固定する底面前方部はしっかりした板金仕様だ
本製品はカスタマイズ可能なPCケースだが、その目的は「必要な機能だけを選べる」という部分にある。ここ昨今のPCパーツ構成なら3.5インチシャドウベイはそんなに多く必要ないし、冷却ファンもどうせ好みの製品に入れ替えるというなら、標準モデルの「MasterCase 5」がいい。
しかし、ハイスペックPCを構築するなら最初から冷却性能が高くベイ搭載量の多い「Pro 5」を選ぶといい。同じベースの製品でも、ユーザーの志向に合わせてケース仕様をカスタマイズできるのが本製品のおもしろさだ。
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