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最新端末を丸裸! スマートフォン定点観測 第146回

HTC、ASUS、富士通の3万円台のSIMフリースマホをベンチや文字入力で比較

2015年11月16日 12時00分更新

文● 小林 誠 編集● ASCII.jp

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500通スクロールテストでは
最速がZenFone、平均ではarrows

 ここからは実際に使ったテスト。まずは500通のメールスクロールから。事前にGmailを500通受信しておき、上から下へスクロール。その時間を競う。各機種3回、ストップウォッチで計測する。操作は片手で行った。

  HTC Desire 626 ZenFone Selfie arrows M02
最速タイム 3秒80 3秒40 4秒54
平均タイム 5秒40 6秒95 4秒77

 最速タイムではZenFone Selfieで、3秒40のリード。スピーディーなスクロールで始まり、後半で表示が省略されているのか、小刻みに止まる。大画面ということもあって指の動かし方次第でスクロールの仕方も変わるようで、「最後まで滑らかにスクロールするが時間もかかる」という場合もある。そのため平均タイムは伸び悩み。

 HTC Desire 626も同様の傾向で、スクロール時の指の動きが大きいとタイムは短いが、滑らかなスクロールが失われる。逆に指を頻繁に動かしているとスクロールは滑らかだが、時間もかかる。

 一方、最速タイムこそ4秒台だが、平均タイムも4秒77と常に安定して速いのがarrows M02。中盤ですぐに省略表示になっているのか、スクロール自体はカクカクとして滑らかとは言えない。だがどんな指の動きでも動作は変わらないのが印象的だった。

文字入力ではarrows M02が
最速タイム39秒台で勝つ!

 続いて文字入力のテスト。やはりGmailアプリの新規作成画面を使い、片手操作で下記の文章を入力する。予測変換は使わず、通常変換のみで全文を入力する。

「お世話になっております。ライターの小林です。明日の13時にASCII.jpの件、よろしくお願いいたします。」

 なお入力方法はフリック入力。ZenFone Selfieは初期設定でジェスチャー入力となっていたため、フリック入力に変更し、ケータイ入力も有効にした。

  HTC Desire 626 ZenFone Selfie arrows M02
入力プログラム iWnn IME Ver.2.6.0 ATOK for ASUS Ver.1.0.1 Super ATOK ULTIAS Ver.1.3.0
最速タイム 45秒49 1分5秒37 39秒54
平均タイム 49秒64 1分14秒31 48秒66

 ここで最速、平均タイムともにトップだったのがarrows M02だ。70mmを切る本体幅はやはり一番持ちやすく、入力しているときに大きく持ち替えることなく操作を終えることができる。キーボード全体のボタンに指が無理なくすべて届く。

HTC Desire 626

ZenFone Selfie

arrows M02

 ただ持ちやすいサイズではあるのだが、乾燥してきた季節のせいか、手が滑りやすい。そのせいで筆者が若干操作に慎重になったこともあり、やや計測結果にムラがあった。

 2位はHTC Desire 626。arrows M02と比べほんのわずかに本体幅が長い。それだけで文字種の変更やキーボード上に表示される変換候補が押しにくく感じる(筆者は右手)。平均タイムはarrows M02とさほど変わらないが、最速タイムが伸び悩んでいるのは、そのせいだ。

 完敗だったのはZenFone Selfie。77.2mmという本体幅を考えれば両手入力が自然そうだ。片手操作では頻繁に持ち替えが発生し、落とす心配も感じた。キーボードの「あ」「か」「た」、文字種の変更ボタンはかなり押しづらい。タッチレスポンスは良いのだが、本体幅のせいで斜めから無理にタップすることも多く、そのせいで誤入力も発生してしまう。

 ただしZenFone Selfieはキーボードをタッチしてドラッグすることで、簡単にキーボードサイズを変更できる。これを上手に調整すれば、タイムを縮めることは可能だろう。

実際に使った結果を重視
arrows M02を2回目の勝利機種に!

 今回の勝利機種はarrows M02。やはり実際に使った結果が良いというのは評価が高い。またベンチマークのスコアが低い機種でも、実際の使い方次第では十分ストレスなく使えることが分かる。

 逆にベンチマークで圧倒的な結果を残したZenFone Selfieだが、本来なら両手操作が普通のところを、今回は片手操作のテストのため、一気に不利となってしまった。5.5型という大型スマホだけに、ユーザーの使い方次第で評価が変わる端末だろう。

 HTC Desire 626は常に2位といった位置づけ。こういう機種が購入で迷ったときに強く、まだスマホに慣れていない、あるいは小型のiPhoneから初めて5型台のスマホに移行するなど、自分の操作スタイルがあまりイメージできない、そんな人に向いているかもしれない。

 次回はカメラチェック。とくにZenFone Selfieは製品名通りにカメラ重視の端末だ。当然インカメラチェックも行なうので期待がもてる。ただSIMフリーということもあって、どんな機能があるのかあまり知られていない部分も。そこで独自性を見せてくれると面白いのだが、どうなるだろうか?

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