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「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2015」基調講演で語る

人工知能、IoTなどの技術を社会価値創造へ、NEC遠藤社長

2015年11月16日 06時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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「NECが『価値』を作ることができる力はどこにあるのか」

 「NECが『価値』を作ることができる力はどこにあるのか」。遠藤社長はあらためて、「価値創造を支えるICT」という観点からNECの持つ力を説明した。顔認証や群衆行動解析、インバリアント分析など、NECでは世界ナンバーワン、世界初の技術を持つ。これらはすでに実用化され、リアルタイムの不審者特定システム、アルゼンチンの2人乗りオートバイ検出システム、異常混雑や滞留緩和、あるいはスマートウォーターマネジメントといったソリューションとして提供されているという。

需要予測に基づいて水道の配水計画を自動生成することで、電力効率を最適化するとともに配水設備の劣化を防ぐ

 従来からNECが注力してきたSDNも、IoT時代を支える取り組みになるという。

 「IoT時代には、リアルタイムでダイナミックな対応が求められるが、現在のようなクラウドコンピューティングによる集中処理では限界がある。瞬時の判断を行うエッジコンピューティングや、デバイスコンピューティングにも高い性能が求められる。そのためには、ネットワークを仮想化して、必要な量のコンピューティングパワーを割り当てる必要があり、NECはSDNに力を入れている。(SDNは)デバイス、エッジ、クラウドの全体システムの効率化とともに安全性を向上させる」

IoT時代には、デバイス/エッジ/クラウド(データセンター)での分散処理と、その間を柔軟かつ安全につなぐネットワークが求められる

 SDNの活用事例として、遠藤社長はJR東日本が導入した駅構内共通ネットワークを紹介。「SDNは、すでに民間企業では250社以上、通信オペレータでは40社以上で実証実験が行われている」と、NECの実績をアピールした。

 セキュリティ分野においては、マイナンバー制度に対応した顔認証の導入、効率的なデータ保護を行うための軽量認証暗号「AES-OTR」、サイバー攻撃自動防御ソリューションといった実績や技術を紹介。同社が設置した「サイバーセキュリティ・ファクトリー」では、すでに100社以上と契約し、8000のネットワークを監視していること、さらにはインターポールと連携したサイバーセキュリティ対策などについても触れた。

 NECでは「Orchestrating a brighter world」というスローガンを掲げている。「Orchestrating」には人間との深いコミュニケーションに基づく価値創造という意味が、「brighter world」には明るい、スマート(賢い)という2つの意味が込められているという。そして遠藤社長は、同社の事業姿勢について次のようにまとめた。

 「NECでは、地球との共生を目指す『Sustainable Earth』、安全・安心な都市と行政基盤を作る『Safer Cities&Public Services』、安全・高効率なライフラインを提供する『Lifeline Infrastructure』、豊かな社会を支える『Communication』、産業とICTが新結合する『Industry Eco-System』、枠を超えた多様な働き方を創造する『Work Style』、個々人が躍動する豊かで公平な社会を実現する『Quality of Life』という7つの領域から、社会価値創造に取り組み、安心、安全、効率、公平を実現していく」

 2020年の東京オリンピック/パラリンピックでは、ゴールドパートナーとして、パブリックセーフティ製品とネットワーク製品において貢献していく方針。「安全で、安心な東京オリンピック/パラリンピックの実現に貢献していくことになる」と語っている。

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