
10月17日(土)のメインレース「府中牝馬ステークス」(GII)が行われた直後のTwitterのトレンド。「古畑任三郎」や「亀田興毅」などはわかる気がするが、レース名の「府中牝馬S」と勝利騎手である「ルメール」までトレンド入りしているという……
インターネットの規模感がわからなくなる瞬間
衆議院や参議院の国政選挙、もしくは都道府県知事レベルでも注目度の高い選挙になると、開票後、かならずと言っていいほど耳にするのは「あのネットでの盛り上がりはなんだったんだ……」という話である。
これはおそらく、保守/中道/革新を問わずいずれの陣営を支持する人たちでも一様に抱く感慨ではないだろうか? こうしたとき、人はインターネットの規模感のようなものが微妙にわからなくなる。そして、「ネットとリアルはやっぱり別物だよね……」などとつぶやきながら自分を強引に納得させたりする。
政治とはまったく異なる領域の話でも似たような例がある。
筆者は昔から競馬が好きで、土日は溜まった仕事を片付けながら漠然と競馬中継を観ていたりするのだが、ダービーや天皇賞、有馬記念といった大きなGIレースでもないのに、下手をするとGIIIクラスのレースの勝ち馬の名前などがしばしばTwitterのトレンドに上がってきたりする。しかも2着馬や3着馬の名前までトレンドに表示されることがあり、そんなときは思わず、「Twitterってどんだけ小さいコミュニティーなんだよ!」と叫びたくなる。
そうかと思うと、「そんなこと別にどうでもいいんじゃないの?」と思うようなことがたちまちソーシャルメディアで大騒動になり、あれよあれよという間に社会問題にまで発展し、企業のトップが謝罪したり、退陣したり、ときには国会で討論されるような国民的な関心事にまでなったりすることもある。
こんなときは「もはやソーシャルメディアはマスメディアの議題設定機能(メディアによる恣意的なトピックの選定/提示機能)を超えたな……」と、インターネットの空恐ろしさに身震いしたりするものだ。
(次ページでは、「改めて見るインターネットの性質」)

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