クラウド、ネットワーク、デバイスのエンジニアがいよいよ邂逅する
IoTの異才たちがLT18連発!SORACOMのフライデーナイト
育児にも活用できる家庭内IoT(平愛美さん)
4歳と7ヶ月の男の子を育てながら保活をしている@mana_catこと平愛美さん。電子工作を始めたばかりという平さんは、誰でもできる家庭内IoTのススメということで、赤ちゃんの温度管理をできるIoTデバイスの作り方を披露した。「温度が高いと赤ちゃんはすぐに泣いてしまう。赤ちゃんがいるうちでは必需品のピジョンの温湿度計みたいなことがIoTでできないか考えた」と平さんは語る。
平さんが作ったのは「IoTスーパーこまち」。スーパーこまちの弁当箱に温湿度計搭載のラズパイ、USBモデム、SORACOM Airを仕込んでいる。お高いんでしょと思いきや購入価格は1万円強。「ドコモのL-02Cはイオシス(秋葉原)のワゴンセールで投げ売りされていたのを、3年前に800円買った(笑)」とのことで、主婦らしく予算もセーブしたという。
ソフトウェアは「みんな大好きsystemdが使えるFedoraベースのPidora」(平さん)を採用。このほか、ダイヤルアップツール、シリアル通信用のI2Cツール、Amazon S3コマンドツールなどを組み合わせた。センサーデータを取得し、SORACOM Airでダイヤルアップで、データをS3に送信。データ形式はCSVで保存し、CRONで30分ごとに送信しているという。ランニングコストも月額311円。「初期費用1万円で誰でもできるので、ぜひみんな試してみてください!」(平さん)
AndroidでもSORACOM Airを使いたい!(@mhidakaさん)
AndoroidでSORACOM Airを使うというネタを披露したのは、@mhidakaさん。Tech BoosterというAndroid向けの技術サークルを運営しており、書籍の作成や「ドロイド会議」という技術フォーラムなどを展開しているという。
AndroidでSORACOM Airを使う場合の注意は、やはり通信料。「Androidはセンサーがいっぱい入っていて、みんな持ってる。でもアプリケーションがどんどん通信してしまうので、通信料がうなぎのぼり」(@mhidakaさん)という課題がある。これに対して、アプリケーション自体の通信を止めるのが「IoT Gateway」というアプリ。AndroidのVPN機能を転用し、VPNサーバーをデバイス内に立てることで、通信をループバックさせるという実装になっている。「自由なAndroidとプログラマブルなSORACOM Airを組み合わせることで、すぐにアイデアを試せる。今日発表されたカスタムDNSを使うことで、いろんな通信制御ができる」と@mhidakaさんは語る。
SORACOM BeamからMicrosoft Azureにつなぐ(JAZ-UG 青木賢太郎さん)
AWS上に実装されているSORACOMだが、他のプラットフォームにもファンは多い。AWS界隈の聴衆の多い中、「勇気を出してきた」と語るkekekekentaことJAZ-UGの青木賢太郎さんは、SORACOMとMicrosoft Azureとの連携を提案する。
Microsoft AzureではCortana Analytic Suiteという統合プラットフォームが用意されており、リアルタイムデータの処理を行なうStream Analytics、さまざまなアルゴリズムが用意されているAzure Machine Learning、可視化ツールのPowerBIなどが揃っている。「EventHubは要はKinesis(笑)。Stream Analyticsは先週発表されたKinesis Analysticsで、PowerBIはQuickSightみたいなもの」と青木氏はAWS系の聴衆に対して丁寧に説明を加える。
SORACOM Beam経由でAzureと接続する場合は、SORACOM BeamからIMSIを取得し、そのIMSIとセンサー値をあわせてEventHubに送信すればOK。あとはStream Analysticsで解析し、PowerBIに流して、リアルタイムに解析できるという。青木氏は、「Azureともつながりやすくなるよう、SAS TOKENをください」とソラコムにリクエストし、LTを終えた。
Bluemix+SORACOMでIoTを始めよう(Bluemix 常田秀明氏)
Azureの次はIBM Bluemixということで、Bluemixのユーザー会で活躍する日本情報通信の常田秀明氏はBluemixとSORACOMとの連携を提案する。常田氏は「昨年まで使っていた500個近いUSBモデムが会社に在庫されているが、持ってきたのは写真だけ」とコメントし、聴衆を残念がらせる。
常田さんはIBM Bluemixについて「CloudFoundryベースなので、いろんなPython、Java、PHPなど言語のランタイムが使える。通常のPaaSと違って、データベースや分析ツールも豊富に揃っている」とアピール。たとえば、MQTTブローカー、デバイス、認証などの機能を提供する「IoT Foundation」やJSON形式のNoSQL DBである「Cloudant NoSQL DB」、ストリームデータの処理に向いた「Node-RED」などさまざまなツールや製品が用意されているという。
常田さんはSORACOMの登場により、SIM単位でデバイスが管理でき、障害時もハードウェアの交換だけで解決できるので、障壁は大きく下がったと評価。無償で使える機能も多いBluemixと組み合わせ、IoTを始めてもらいたいと呼びかけた。
(次ページ、トンネリングとセンサーデータの共有に期待!(ADSJ 荒木靖宏さん))
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