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クラウド、ネットワーク、デバイスのエンジニアがいよいよ邂逅する

IoTの異才たちがLT18連発!SORACOMのフライデーナイト

2015年10月19日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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やってみた系からIoTへの期待、製品紹介まで怒濤のLT大会

 ソラコムからの発表と聴衆との乾杯後に行なわれた怒濤のLT18連発は、5分という短い時間でSORACOMに関するトークを行なうもの。ソラコムお手製のフルスケールTシャツをゲットすべく、IoTデバイスで試したみた系、他のクラウドで使ってみた系、製品・サービス紹介系、SORACOMへの期待など各自が持ちネタを熱く披露した。全LTをレポートするので、ご堪能いただきたい。

手焼きSIMとイベントハンドラ(ソラコム 片山暁雄さん)

 トップバッターは元AWS SAの片山暁雄さん。現在はソラコムで、SIMの在庫管理や生産(SIM焼き)、ラベル貼り、検品、受注、発送、解約までを担っており、こうした業務の一切合切をJavaFX+DynamoDBで行なっているという。「世界初のJavaFXでできたMVNEと言ってよい」と片山さんは紹介。SIMに関しては、「専門のSIM職人が一枚ずつ心を込めて手焼きしている」と説明し、会場を爆笑の渦に巻き込む。

SIMの生産風景とイベントハンドラについて紹介するソラコムの片山暁雄さん

片山さんのソラコムでの業務はJavaFX+DynamoDBで実現

SORACOMのSIMは一枚一枚心を込めて手焼き!

 本題に移った片山さんはSORACOM上で発生したイベントをトリガに処理を行なう「イベントハンドラ」の機能について説明する。イベントハンドラは、イベント自体を定義する「ルール」とイベントを処理する「アクション」から構成され、一定期間でルールを再評価するという仕組みで成り立っている。これにより、たとえばデータ通信量が100MiBを越えたら速度制限するSIM、3GBを越えたら解約するSIM、データ転送量が増えたら速度を速くするバックアップSIMなどを作れる。イベントの発生に際しては、AWS LambdaでAPIをコールし、解約や速度変更、Webサイトの変更などが行なえばよいと紹介した。

SORACOMで発生するイベントに対して処理

100MiBを越えたら速度制限するSIMも容易に作れる

5分でわかるAWS IoT(ADSJ:Amazon Data Services Japan 榎波利晃さん)

 PowerPointのトラブルで「このままだとSORACOM Tシャツ披露しただけで終わってしまいますよー」と司会にたしなめられたADSJ榎波利晃さんは、先日発表されたばかりの「AWS IoT」について説明した。

 AWS IoTではIoTデバイスのデータをセキュアに送受信し、PUB/SUBモデルのゲートウェイでクラウドに流し込むためのIoT向けサービス。AWSでも従来からIoT向けのサービスは拡充されていたが、要望の多かったMQTTに対応したということで、AWS IoT登場の意義は大きいとアピール。今後、MQTT以外のプロトコルも対応していきたいという。

AWSでモバイルやIoTを担当する榎波利晃さん

 AWS IoTではデバイス側にメッセージを送ることも可能なほか、TLS1.2による暗号化やAWS IAMと連携も可能。SQLライクなメッセージでルールエンジンを記述し、データの中身を見て、AWSのサービスを呼び出すこともできる。榎波さんが特に強調したのはメッセージブローカーの機能。「今までメッセージブローカーをスケールアウトが難しかった。それをすべてマネージドで提供するので、安心してMQTTをお使いいただける」(榎波さん)。最後SORACOMとの相性は抜群とアピールし、時間切れとなった。

AWS IoTのサービス概要

AWS IoTではMQTTがサポートされたのが大きい

コマンドラインでBeamからAWS IoTへ(ジャストインケース 松井基勝さん)

 3番目は元AWSで、現在ジャストインケースという個人事業主となっている松井基勝さん。エンジニア向けの黒い画面でプレゼンを始めた松井さんは、ラズパイのデータをMQTT経由でSORACOM Beamに送り、証明書が付いた段階で、AWS IoT、SNS、SQSに流すという処理をすべてコマンドラインで披露した。

コマンドラインでBeamからAWS IoTまでをデモった松井基勝氏

SORACOM+AWS IoTの構成図。アスキーアートがキュート!

 松井さんはThingの作成、証明書の取得、パブリッシュポリシーの作成、アタッチ、グローバルCAファイルの取得までをAWS IoT側で行なったのち、次はSORACOMのCLIでグループ作成、証明書の適用、SIMの割り当てまでを矢継ぎ早に操作。自宅にあるラズパイからMQTT経由で流れたデータが無事にSORACOM Beam、AWS IoT、SNS、SQSまで届くところまでを5分以内でやり抜き、観衆から大きな拍手が沸いた。

AWS IoTでThingを作り、証明書をアクティブに

デバイスからのMQTTデータをBeam経由で無事送信

デバイス屋が描くIoTの未来像(アットマークテクノ 竹之下航洋さん)

 自称「北の大地の組み込みエンジニア」のアットマークテクノの竹之下航洋さんは、IoTゲートウェイ「Armadillo-IoT」の製品企画を担当している。同氏はおもにIoTの事例を披露することで、デバイスメーカーが描くIoTの未来を見せた。

IoT事例を披露したアットマークテクノの竹之下航洋さん

 たとえば、Beverage Analysticというイスラエルの会社は、ビアバーでのビールの消費量を把握し、無駄を防ぐIoTソリューションを提供している。タップと樽の間に流量計を仕込み、ビールがどれだけ消費されたかをクラウドで解析。樽を確実に回収するための在庫管理や適切な注入量をバーテンダーに促す機能、プロモーション管理の機能などを提供しているという。こうした機能により、ビアバー製品を売っていた事業者はサービス事業者に変化したという。

ビアバーでのビールの消費量を調整するBeverage Analystic

ユーザーであるWeissBeerger社は製品売りからサービス事業者へ

 その他、竹之下さんはAmazon Dash ButtonやArmadillo-IoTを使った3Dプリンターの予防保守などを披露。今後、IoTの通信は無線が主流になるが、いろいろな方式があるため、ケースバイケースで選ぶべきと持論を披露し、LTを終えた。

■関連サイト

SIMの開封からSMS受信までを5分で!(ぷらっとホーム 松下享平さん)

 「OpenBlock IoT」の開発に携わるぷらっとホームの松下享平さんは、SIMの開封からSMS受信までを5分でやりきるというLTを披露した。OpenBlock IoTではSORACOMで簡単につながってしまう、なおかつさまざまな「やってみたネタ」があふれる中、5分でやりきるという“肉体芸”でデバイスメーカーの矜持を見せようという趣旨だ。

ぷらっとホームの松下享平さんは、SIMの開封からSMS受信までを5分でやりきる肉体芸を披露

 ゴールはpriori2でのSMS受信。SORACOMアカウントは作成済みで、SMS送信にはTwillioを採用。prioriにはAPN設定済みという条件でスタートした松下さんは、早くもSORACOM SIMの開封やIMSIの番号の手入力でてこずる。「まずい、まずい」を連呼しつつ、アクティベートまでは一気に済ませ、設定済みのAPNを選択する。観衆の手助けで設定を終えて、発信すると、手元のスマホに無事SMSが着信。松下さんは満面の笑顔で、大きな歓声を浴びた。

SORACOM SIMの開封の段階ですでに手こずる松下さん

無事にSMSが届き、満面の笑顔の松下氏

■関連サイト

(次ページ、デバイスの強い県でSORACOMを想う(スカイディスク 橋本司さん))


 

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