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「vCloud Air」「vRealize」の強化、キャリア向け「vCloud NFV」など

「VMworld 2015 Europe」で発表されたVMware新機能を紹介

2015年10月15日 06時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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通信事業者向けのNFVソリューション開始

 ヴイエムウェアにとって新たな挑戦となる、通信事業者向けのNFVソリューション「vCloud NFV」も開始した。

 通信事業者では、たとえば家庭内ルーターをクラウド化するように、従来アプライアンスで提供されていたネットワーク機能を仮想化する動きがある。通信事業者はOSSを駆使して自社でクラウド環境を構築する場合もあるが、「その場合、提供する機能のために構築された限定的なクラウド環境になっていることが多く、柔軟性は必ずしも高くない。そこでオープンで統合性において完成度の高いVMwareのクラウド環境を提供し、その上に自由にVNF(仮想ネットワーク機能)を実現できるように支援する」(ヴイエムウェア チーフエヴァンジェリストの桂島航氏)。

 プラットフォームとしてはこれまでエンタープライズ向けに提供してきたものと同等のものを用意し、それに加えて「VMware Ready for NFVプログラム」と「新しいキャリアグレードサポート」を提供することで、「通信事業者のNFVに向けた取り組みをビジネスプロセスのレベルで支援するのがvCloud NFVの特長」(同氏)となる。

 「VMware Ready for NFVプログラム」では、パートナーが自社の仮想ネットワーク機能がVMwareのNFVインフラと相互運用可能であることを保証できる。また、通信事業者はvCloud NFV上でNFVソリューションを導入・稼働・相互運用できることが確認できる。最初のパートナー企業として、Affirmed Networks、Brocade、Metaswitch、Mitel、VeloCloud、Versa Networksのほか、NECも参加している。

 「新しいキャリアグレードサポート」では、エンタープライズのミッションクリティカルシステムを超える通信事業者のシステム可用性を担保するため、サービスの応答・復旧に関するSLA、問題解決に関するSLA、プロアクティブな環境モニタリング、専属のアカウント管理者や上級サポートエンジニア、技術サポートの強化などを提供する。「特に障害発生時に“いつまでに復旧します”と復旧にかかる時間までコミットメントする」(同氏)という。

 そうした高いSLAを実現するため、Nokiaと提携し、同社のキャリア向けサポートサービスを活用する(日本は未定)とのこと。

vCloud Airでは多数の新機能

 IaaS「vCloud Air」では多数の新機能が紹介された。まずは「Google Cloud DNS」への対応。クラウド上に低遅延のDNSサービスを簡単に立ち上げ、世界規模で展開できるようになる。

 また、インタラクティブな指標やイベントログ、ユーザー定義アラームなどの機能でvCloud Airの可視性を高められる「vCloud Air Monitoring Insight」や、オンプレミスのActive Directoryと連携可能にする「Enhanced Identity Access Management」を実装した。

 コンテナ対応も強化し、vShpereで提供されていた「VMware vSphere Integrated Containers」をvCloud Airでも利用できるようにした。IT部門はvCloud Airの共有インフラで、通常のアプリに加えて「Docker」などによるコンテナアプリも稼働させられるようになる。

 そのほか、サービスプロバイダ向けIaaS構築ソフト「vCloud Director 8」もリリース。新たに「vShpere 6.0」と「NSX 6.1.4」に対応した。

vCloud Airでは多数の新機能

 桂島氏は「8月のVMworld 2015 USも多数の新機能を発表したが、それからわずか2カ月でさらにこれだけの新機能を提供できたことに注目してほしい」と数をアピールし、VMwareの取り組みの速さを強調した。

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