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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第423回

猫といえばココ! 広島県・鞆の浦で猫写真三昧!!

2015年09月11日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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とことこ着いてきた猫が上から3段目でぴたっと止まってこっちを恨めしそうに見てる。そんな姿を見たら、もちろんカメラを構えて撮っちゃうのである。猫と石段と鳥居(2015年9月 富士フイルム X-T10)

とことこ着いてきた猫が上から3段目でぴたっと止まってこっちを恨めしそうに見てる。そんな姿を見たら、もちろんカメラを構えて撮っちゃうのである。猫と石段と鳥居(2015年9月 富士フイルム X-T10)

 広島県東部(旧国名では備後国)、瀬戸内海に面した尾道と鞆の浦といえば、もう猫好きには超有名な場所である。

 どちらも古くからの港町で、山と海に挟まれた非常に狭い土地で、人々はわずかな平地と急斜面に工夫して住んでて、奈良平安時代からの古い歴史を持つ港町で、古社古刹が軒を連ね、今は観光地として有名、という共通点があり、もちろん斜面と海と古社古刹と古い街並みがあればそこには猫がいてしかるべきなのである。

 まずは「崖の上のポニョ」のモデルになった土地だとか、龍馬のいろは丸が沈没したあと、別の船に乗り移って上陸した場所だとか、京を追われた室町幕府最後の将軍足利義昭が滞在した場所だとか、そんなゆかりがいろいろとある鞆の浦から。

 ただ尾道に比べて不利なのは最寄りのJR福山駅からバスで30分かかること。

 夕刻、バスの終点を下りるといきなり猫の出迎え。18時過ぎ、観光客もいなくなって猫がのんびりできる時間だったのだ。

 ちょうど入口のガラスがハーフミラーになってて、港とその後背地の山がきれいに写ってたので、つい自分も一緒に写ってみた。

港に面したお家で猫発見。大柄なチャトラは水を呑み、ふわふわした子猫はのんびりと転がり、私はそれを撮る、の図。すぐ後ろに山が見えるように、ここは海と山がすごく近い場所なのだ(2015年9月 富士フイルム X-T10)

港に面したお家で猫発見。大柄なチャトラは水を呑み、ふわふわした子猫はのんびりと転がり、私はそれを撮る、の図。すぐ後ろに山が見えるように、ここは海と山がすごく近い場所なのだ(2015年9月 富士フイルム X-T10)

 わざと顔を上げてるけど、実際にはモニターを開いた富士フイルム「X-T10」を低い位置に持って構図を決め、撮影の瞬間に顔を上げております。普通に撮ると頭だけが写り込んじゃって今ひとつ面白くないので大人猫と子猫の間に顔を出してみた次第。

 さて鞆の浦は頻繁に訪れているので、今回は街の雰囲気がわかる写真を選んでみた。「猫のいる風景シリーズ 鞆の浦編」である。猫とともに鞆の浦の雰囲気をお楽しみ下さい。

 そこから少し歩くと港である。寂れた漁港といった風で、ちょうどいい場所に猫がいてくれたので、そっと、猫を手前に入れつつ、後ろの漁船や遠くに見える神社が入る構図を狙って1枚。

 天気は悪かったけど、それはそれで侘びた感じになっていい。

夕暮れの港と猫。港をバックに猫を撮る、となると猫がいい場所にいてくれなきゃいけないのでなかなか難しいのだが、このチャトラはたまたま最高の場所にいてくれた。こういうときは猫を端において海を広く撮るべし(2015年9月 パナソニック DMC-CM1)

夕暮れの港と猫。港をバックに猫を撮る、となると猫がいい場所にいてくれなきゃいけないのでなかなか難しいのだが、このチャトラはたまたま最高の場所にいてくれた。こういうときは猫を端において海を広く撮るべし(2015年9月 パナソニック DMC-CM1)

 鞆の浦といえば、冒頭で書いたように山と海に挟まれた土地で、ちょっと奥へ行くと山である。

 坂と階段と人がやっとすれ違えるような路地で構成されていて、慣れてないと「ここ、ほんとに歩いていいの?」という道ばかり。

 そんな道を散歩してたら猫を発見。人通りが少ない道なので(もっともこんな道を人がひっきりなしに歩いてたらその方がびっくりだが)猫も油断したんだろう。「あ、油断してた」って顔をされてしまった。

 急に下っていく階段状の狭い道に猫である。似合いすぎる。

やばいくらいの狭い路地。歩くのは地元の人だけなので、すれ違ったら挨拶をすること。猫にも挨拶。ちょっとびっくりした顔が面白い(2015年9月 富士フイルム X-T10)

ヤバイくらいの狭い路地。歩くのは地元の人だけなので、すれ違ったら挨拶をすること。猫にも挨拶。ちょっとびっくりした顔が面白い(2015年9月 富士フイルム X-T10)

(次ページに続く、「風景と猫が一体化 つい、いつも来てしまう猫スポット

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