危うしApple Music!
それはさておき、Google Play Musicは、良くも悪くもGoogleらしいサービスで、Apple Musicに正面から対抗できる唯一のサービスと言っていいです。スペック的にもまったく抜かりがない。個人的な実感としては、現時点ですでにほかのサービスを圧倒してしまった印象です。要点は3つあります。
まず3500万曲と言われるボリュームです。音楽配信サービスのライブラリ数など、公になっている数の多少違いはあれ、大差ないというのが今までの実感でした。しかし桁が1つ違うと、さすがに受ける印象はまったく違います。
そしてダウンロードストアとクラウドサービスを同時に用意しているのは、今のところAppleとGoogleだけです。iTunesのようなほかのダウンロードストアで買ったり、CDからリッピングした音源でも、クラウドに上げれば、まったく同じように再生できる。これはApple Musicの利点でしたが、それを持って行かれたわけです。
そしてアプリの操作性です。頭を抱えるような部分もあるのですが、ラジオで再生中の曲をプレイリストに登録する、あるいはアーティストページやアルバムページでほかの作品を確認するといった操作がワンアクションで済むように、わかりやすく設計されています。再生中の画面で新規プレイリストを作成できなかったり、アーティストページへ飛ぶのにワンクッション必要だったりするApple Musicよりも使いやすいです。
個人的に気に入っているのが、アーティスト情報をWikipediaから引いている点です。サービス内製で作れよという声も聞こえてきそうですが、マンパワーには限りがあるでしょう。これはKKBOXにも見られる仕様ですが、聴き放題の場合はありがたいです。
たとえば聴いたことのないアーティストを、一気に聴くとしましょう。するとアルバムの発売順に聴いてみたくなるのが人情です。ところが配信サービスは発売年しか表示されません。途中でリマスターが入ってしまうと、それが発売年として表示されてしまうので、順序はバラバラ。リマスターのついでにサービストラックも増えるので、発売当時に入っていた曲がどこまでかもわからない。
それで、大抵はWikipediaを見ながら聴くわけです。アルバムの発売順や曲順もしっかり書かれているので。関連アーティストのヒモ付など、リコメンド機能の精度にも不満はありません。
大問題は関連アーティストやら何やらで、どんどん画面を移っていった場合、アプリにはホーム画面に戻るボタンがないことです。ひたすらバックボタンを押し続けるしかありません。WHY?
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