ネットワールドは8月4日、越智建設の事業継続対策(BCP)観光の構築に、「EMC VSPEX(以下、VSPEX)」と「VMware vCenter Site Recovery Manager(以下、vCenter SRM)」が採用されたことを発表した。
越智建設は、軟弱地盤の補強工事や生コンクリートの製造・販売、建設廃材のリサイクル事業を手がける企業。社内業務の効率化を図るべく、数年前から情報インフラの再整備を進め、数万件におよぶ業務データを集中管理可能にしたという。一方、立地が海岸線や活火山の樽前山に近く、落雷による停電も発生する同社にとって、BCPの強化が残された課題だった。
そこで導入したのが、EMC VNXストレージ、Cisco UCSサーバー、Cisco Nexusスイッチで構成された統合インフラ製品「VSPEX」。本社サーバールームとデータセンターの2カ所に導入され、EMC VNXの遠隔レプリケーション機能によって、両拠点間でリアルタイムにデータを保全。万が一メインシステムがダウンしても、待機側のシステムに切り替えて事業を継続できる体制を整えた。加えて、簡単な操作で業務復旧が行える「vCenter SRM」も採用している。
データレプリケーションはVMwareの機能を利用することも可能だったが、サーバーに負荷をかけずに確実にレプリケーションが行えるよう、今回はストレージ側の機能で実施する方法を選定。新しいシステムではデータセンター側のシステムをメインで利用するため、社内サーバーを利用していた時と同等のレスポンスが得られるかが課題だったが、vCenter SRMのサイト切り替え機能が威力を発揮。全社展開に先立ち、本社とデータセンターのVSPEXを何度か切り替えて検証した結果、両社のレスポンスに差がないことが確認できたとのこと。なお、提案はネットワールドのパートナーであるリコージャパンが担当した。
越智建設では、新システムにより障害や自然災害リスクを軽減できただけでなく、社内の大量な業務データをより有効活用できる環境が整い、拠点からのレスポンスも改善された。今後はEMC VNXのデータ圧縮/重複排除やCisco UCSの管理ツールなど、VSPEXに用意された多彩な機能群も積極的に活用していく予定。マイナンバー制度への対応にも新システムを生かしていく考え。