精度がどんどん向上する
データベース型超解像技術が自慢のソニー
フルHD時代から独自の超解像技術を盛り込んできたソニー。現在の「4K X-Reality PRO」は、データベース型超解像と言われる技術を採用し、内蔵する膨大な映像データベースを使って映像を解析。本来の情報を復元する。
映像データベースは年々強化されており、地デジ放送やBDソフトはもちろんのこと、DVDなどのSD映像やそれ以下のネット動画などにも幅広く対応。質の高いソフトもそうでないソフトも、それぞれに最適な処理でバランスのいい精細さを表現する上手さはソニーが一枚上手だ。
これに加えて、高輝度表示技術として「X-tended Dynamic Range」を採用。これがいわゆるHDRに相当するもので、LEDバックライトのエリア駆動と映像処理による「コントラスト拡張技術」の組み合わせで実現している。
そして、8K/4K放送などのHDR技術が盛り込まれた映像に対しても、後日のアップデートで対応すると表明している。ULTRA HD Blu-Rayなどに期待している人にはうれしい情報だろう。
広色域表示としては、「TRILUMINOS DISPLAY」技術がある。白色LEDのカラーフィルターの特性の向上や、LEDの半導体制御などの技術を組み合わせることで色域の拡大を実現している。このように、最新の薄型テレビのトレンドである高輝度と広色域をしっかりとカバーしている。
新開発4Kプロセッサー「X1」でバランスのよい画質を実現
最新モデルでは、新開発の4Kプロセッサー「X1」が搭載された。これは、ここで紹介した3つの高画質技術を統合して制御するプロセッサーで、映像の解析結果を各ブロックに伝達し、総合的にコントロールすることで、高精細、高輝度、広色域のそれぞれの処理をより向上する働きを持つ。
今まではバラバラに自分の仕事に邁進していたが、これからは互いに連携を取りながら仕事をするようになるので、相乗効果でさらなる高画質を実現できるようになったというわけだ。
そして、音質面でもこだわったモデルを投入していることもソニーの特徴だ。上級機である「X9400C」「X9300C」シリーズは、自慢の磁性流体スピーカーを採用した大型スピーカーを画面の両サイドに配置。
ハイレゾ音源の再生にも対応し、CD品質の音源やテレビ放送の音声もハイレゾ相当の音質に改善する技術「DSEE HX」も搭載している。横幅のサイズが大きくなるのがやや難点ではあるが、シアター用スピーカーなどの追加なしでも臨場感にあふれる音が楽しめるモデルと言える。
(次ページに続く、「4Kはすべて直下型LEDバックライト採用する東芝」
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