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三菱の4Kテレビはレーザー光源採用――画質重視で他社と差別化 

2014年08月25日 15時18分更新

文● ASCII.jp編集部

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 バックライトにレーザー光源を採用するのが特徴の三菱電機の液晶テレビ「REAL」。その新機種にして、満を持しての4Kテレビ「REAL LS1」シリーズが8月25日に発表された。

 ラインナップは65V型の「LCD-65LS1」(予想実売価格75万円前後)と、58V型の「LCD-58LS1」(同54万円前後)の2機種となる。どちらも10月30日発売予定だ。

色空間図。緑の線がBT2020の色域で、赤い線がLS1の色域

色空間図。緑の線がBT2020の色域で、赤い線がLS1の色域

レーザー光源の採用により赤と緑が混ざらず、純度の高い色再現が可能

レーザー光源の採用により赤と緑が混ざらず、純度の高い色再現が可能

発表会場で展示されていた色彩比較デモ

発表会場で展示されていた色彩比較デモ

 レーザーテレビはバックライトに赤色レーザーとシアンLED(緑と青)を採用したもので、赤色をレーザー光源として独立させることで全体的な色純度がアップするのが特徴。このバックライトシステム自体は従来機と同じだが、新しいカラーフィルターの導入などにより、ITU-R BT2020(超高解像度の規格)に対して約80%の色域を表現でき、赤色に関しては100%の色域をカバーする。

 画像処理エンジンには4K用の「DIAMOND ENGINE 4K」を採用し、超解像技術の「DIAMOND HD」によりフルHD映像を4Kにアップスケーリングできる。また、12の色を独立して調整する色再現技術「LASER COLOR CONTROL」により、デジタル放送などで欠落した色情報を補完。映像の色や質感を再現する。

 シアンLEDは直下型となっており、ローカルディミング(部分制御)に対応。暗い部分は暗く、明るい部分は明るくLED輝度を制御することで映像にメリハリを持たせる。

本体左右にスピーカーユニットを装備

本体左右にスピーカーユニットを装備

高音用ツィーターのうち1つは上方を向いており、高さ方向の音場を豊かにする

高音用ツィーターのうち1つは上方を向いており、高さ方向の音場を豊かにする

スピーカー部はスタンドも兼ねている。画面直下にスタンドを置かないことで浮遊感を演出している

スピーカー部はスタンドも兼ねている。画面直下にスタンドを置かないことで浮遊感を演出している

 本体左右には総合出力58Wのスピーカーを装備。片側あたり高音用ツィーター×2、中低音用×1、重低音用ウーファー×2のユニットを内蔵。高音および中低音用のスピーカーには、同社が開発した「NCV」(チタンに匹敵する伝搬速度と紙と同等の内部損失を有する素材)振動板を採用する。

 また、2TB HDDを内蔵しており、最大2つの裏番組の録画が可能。背面にはSDメモリーカードスロットも装備しており、写真表示専用の画質モードも搭載する。

背面には有線LAN端子やHDMI端子、SDメモリードスロットなどを装備する

背面には有線LAN端子やHDMI端子、SDメモリードスロットなどを装備する

リモコンは十字キー以外、表面がフラットになっている

リモコンは十字キー以外、表面がフラットになっている

 なお、4K放送の対応については別途チューナーが必要とのこと。逆に言えば、4Kチューナーの必須要件であるHDMI 2.0(4K/60p)およびHDCP 2.2の入力には対応しているとみられる。

4Kテレビの市場競争が本格的にはじまる!?

 同社のリビング・デジタルメディア事業本部 家電映情事業部長の菊池康男氏は、50V型以上の大型テレビのうち、25%ぐらいが4Kテレビとなっており「(大画面テレビにおいては)4Kテレビが一般化しつつある」と指摘。

 そのうえで、(アンケート調査により)ユーザーが4Kテレビを購入する際に重視する「画質」「音質」「デザイン」を追求した製品を投入したという。

 また、他社よりも遅いタイミングでの4Kテレビ投入について、同社京都製作所 所長の能勢純一氏は、同社として納得できる製品開発を行なった結果であると理由を説明。

 まだ4Kの本放送が始まっていないタイミングであり、同社独自のレーザー光源バックライトなど「オンリーワンの技術を投入して十分キャッチアップできる」と、巻き返しに自信を見せた。

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