安価なクラウドアーカイブストレージ、Hadoop/NoSQL環境、MBaaSなども
“クラウド版Exadata”など、オラクルがPaaSを大幅拡充
2015年06月24日 06時00分更新
米オラクルは米国時間6月22日、パブリックPaaS「Oracle Cloud Platform」にクラウド版のExadataやHadoop/NoSQL環境、アーカイブストレージ、モバイルアプリ向けバックエンド(MBaaS)など、24種類以上の新たなクラウドサービスを追加すると発表した。
この発表は、オラクルの取締役会経営執行役会長 兼 CTOであるラリー・エリソン氏がWebキャストで行ったもの。発表されたサービスのうち主要な新サービスは次の通り。
「Oracle Database Cloud - Exadata Service」は、DBaaS(DataBase-as-a-Service)である「Oracle Database Cloud」(関連記事)を、「Oracle Exadata」のハイパフォーマンスな環境で提供するクラウドサービス。オンプレミス導入されているデータベースと同じ機能/性能/可用性を備え、オンプレミスのOracle DBと100%の互換性を持つためハイブリッドクラウド環境も容易に構築できる。
「Oracle Archive Storage Cloud Service」は、低コストなクラウドアーカイブストレージサービス。企業の財務記録や医療/医薬品アーカイブ、文化財コンテンツ、保険記録など、アクセス頻度は低いが長期保存が必要な大規模データに適している。「『Amazon Glacier』と同等のサービスを、10分の1の価格で提供する」(エリソン氏)。
「Oracle Big Data Cloud Service」は、Hadoop/NoSQLデータベース上のさまざまなワークロードを実行するためのハイパフォーマンスなプラットフォームを提供するサービス。「Big Data SQL Cloud Service」と組み合わせることで、SQLでHadoopやNoSQLへの操作も可能となり、Oracle DBも組み合わせた総合的なビッグデータ管理システムをクラウド上で実現できる。
「Oracle Integration Cloud Service」は、他社アプリケーションも含むオンプレミス/クラウド環境の各種アプリケーションやSaaSをつなぐ、幅広いアプリケーション連携機能を提供するサービス。事前構築済みの連携機能も備え、「Oracle SOA Suite」のミッション・クリティカル基盤を組み合わせたシンプルで直観的なアプリケーション統合を提供する。
「Oracle Mobile Cloud Service」は、迅速なモバイルアプリ開発と展開を支援するMBaaS。開発者向けのサービス/APIカタログを備え、オンプレミス/クラウドサービスへのセキュアなアクセス、アプリ展開後のパフォーマンスや利用度のモニタリング、アプリのライフサイクルマネジメントといった機能を提供する。
「Oracle Process Cloud Service」は、ビジネスユーザー向けのビジネスプロセス管理サービス。コードを記述することなく、ビジネスプロセス自動化プラットフォームを提供し、ライフサイクル管理、正常なプロセスとSLAに関する対応可能な知見を取得できるようにする。
オラクルは、Oracle Cloud Platformを利用する顧客は1800社を超えたと発表している。またエリソン氏は、前四半期のSaaS/PaaSビジネスで、対前年同期比で200%の増加となる4億2600万ドルの売上を計上したと述べている。