このページの本文へ

第3のIaaS投入で日本での普及も促進

従量課金やNSXサービスも投入!VMware vCloud Airが機能強化

2015年06月04日 13時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

6月4日、ヴイエムウェアは同社のクラウドサービス「VMware vCloud Air」に新サービスを追加。マイクロセグメンテーションを可能にするVMware NSXによるネットワーク仮想化をサービス化したほか、DRサービスを強化。従量課金型サービスも日本での展開を開始する。

NSXのリッチなネットワーク仮想化がサービスで

 VMware vCloud Airはヴイエムウェアがグローバルで展開しているパブリッククラウドサービス。VMwareの広範なテクノロジーをベースに、専有型クラウド、共用型クラウドといったIaaSのほか、DRサービス、DaaSなどのコアサービスが展開されている。

 今回、日本データセンターにおいてネットワークの新機能「VMware vCloud Air Advanced Networking Services(以下、Advanced Networking Services)」が追加されたほか、災害復旧機能である「VMware vCloud Air Disaster Recovery」も強化された。また、従量課金サービスである「VMware vCloud Air Virtual Private Cloud OnDemand(以下、Virtual Private Cloud OnDemand)」も日本で提供されることが発表された。

今回追加・強化されたvCloud Airの新サービス

 Advanced Networking Servicesは、同社の「VMware NSX」をベースにしたネットワーク仮想化サービス。最大の特徴はセキュリティ実装を容易にするマイクロセグメンテーションで、仮想マシンに対するセキュリティポリシーをオブジェクト単位で容易に割り当てることが可能になっている。また、ハイパーバイザーレベルで分散ファイアウォールを実装しており、トラフィックのボトルネックを解消できるという。その他、BGP/OSPFなどのダイナミックルーティング、ポイントツーサイトのVPN、レイヤ7のロードバランシングなどの豊富な機能をvCloud Air上でも活用できる。

 従量課金型のVirtual Private Cloud OnDemandは、サブスクリプション型の専有型クラウド、共用型クラウドに引き続く、vCloud Airで3つ目のIaaSとなる。従来のサブスクリプション型サービスに対して、スモールスタートしたい、トラフィックの変動幅が大きいといったユーザー向けのサービスとして提供される。

第3のIaaSサービスである従量課金型のVirtual Private Cloud OnDemand

 Virtual Private Cloud OnDemandでは、vCPU、vRAM、ストレージなどそれぞれのコンポーネントに1分単位での料金が設定されており、利用リソース分のみ課金が発生する。仮想マシンのサイズを自由に変更でき、ワークロードにあわせて柔軟にリソースを変更できるのが特徴。価格は、2vCPU、8GB vRAMの仮想マシンで28円/1時間(税抜)~になる。なお、課金に関しては、一括購入したポイントで支払えるプリペイド型の「Subscription Purchase Program」も用意される。

日本でも好調な滑り出しなvCloud Air

 米ヴイエムウェア ハイブリッドクラウドプラットフォーム担当副社長のスコット・コリソン氏は、vCloud Airの概要や最新動向を説明した。

米ヴイエムウェア ハイブリッドクラウドプラットフォーム担当副社長のスコット・コリソン氏

 VMware vCloud AirはvSphereベースのオンプレミス環境と緊密に連携したハイブリッドクラウドを実現できるのが特徴で、レガシーアプリケーションの利用はもちろん、PivotalなどのPaaSを用いた新世代のアプリケーションを同じクラウドプラットフォーム上で展開できる。災害対策や既存アプリケーションの拡張、開発・テスト、Web/モバイルアプリケーションの展開、クラウド型のDaaSなど幅広い利用シーンが想定されているという。

 直近ではドイツやオーストラリアでサービスインを開始し、北米7拠点、ヨーロッパ2拠点、日本1拠点、オーストラリア1拠点の計11拠点でのサービス展開になった。また、先般はGoogleとの広範な提携も発表したほか、ローカルでの規制対応を強化したという。

 ヴイエムウェア 代表取締役会長の三木泰雄氏は、日本国内でのvCloud Airのビジネス状況について説明した。昨年11月にソフトバンクとの合同事業を軸に開始されたvCloud Airだが、幅広い地域と業種で利用が進み、既存システムからの移行先として高いニーズを得ているという。また、先般発表されたDaaSである「VMware Horizon Air」も6月から開始される予定。「非常に好調な滑り出し」(三木氏)と語る。

日本でのビジネス状況について説明するヴイエムウェア 代表取締役会長の三木泰雄氏

 今後もハイブリッドクラウドを推進すべく、SLAを強化するとともに、従量課金制の導入でユーザー層を拡大。また、今回発表したような付加価値サービスの拡充によって、新しい市場を開拓していく。「オンプレミスの購入と一緒にvCloud Airを導入できるようなプログラムやパートナーを介したMSP(Managed Service Program)などを展開していきたい」と三木氏は語る。

■関連サイト

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード