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Windows10で身近になるハイレゾオーディオ入門 第3回

Windows 10プレビュー×USB DACでハイレゾ音源を再生!

2015年05月21日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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Windows Media PlayerではUSB DACへの出力ができない

オラソニックのNANO-D1とVAIO type Pでいろいろ試してみた

オラソニックのNANO-D1とVAIO type Pでいろいろ試してみた

 というわけで、ここからは、USB DACとしてオラソニックのNANO-D1を組み合わせていろいろと試してみた。

 まずは、Windows Media Playerでの再生。なんとこちらは再生ができなかった。Windows Media Playerのオプションの設定では、汎用のドライバーを認識しているのだが、再生してみるとなぜか内蔵スピーカーから音が出る。ドライバー自体は認識しているので、ちょっとした不具合のような気もする。正式版ではきちんと動作すると思いたい。

Windows Media Playerのオプションで、デバイスを確認したところ。きちんとドライバーは認識しているが、何故かUSB DACからはではなく内蔵スピーカーから再生された

Windows Media Playerのオプションで、デバイスを確認したところ。きちんとドライバーは認識しているが、なぜかUSB DACからはではなく内蔵スピーカーから再生された

 Windows Media Playerは潔くあきらめて、foobar2000で再挑戦してみた。こちらはきちんと汎用ドライバーを認識し、USB DAC(と接続したアンプとスピーカー)から音が出た。出力信号もきちんと96kHzを認識している。192kHz/24bitの音源の場合はUSB DACが対応していないので、エラーが出て再生ができない。これはごく普通の挙動だ。

Foobar2000のpreferenceでドライバーを選択したところ。きちんと汎用ドライバーを認識しており、選択すると、USB DAC経由での再生ができた

Foobar2000のpreferenceでドライバーを選択したところ。きちんと汎用ドライバーを認識しており、選択すると、USB DAC経由での再生ができた

 ここまでをまとめると、Windows 10でもドライバー不要で使える最大96kHzまで対応するタイプのUSB DACは使用できる可能が高い。逆にASIOドライバーを使用するDSD音源に対応したタイプは使用できなかった(例外はあるかもしれないが)。

 また、今のところはWindows Media PlayerではUSB DACを使った場合はうまく動作しなかったので、USB DACを使う場合はFoobar2000が必要となる。

 まあ、96kHz/24bitまでとは言っても、一般に普及しているハイレゾ音源のほとんどは96kHz/24bitまたはそれ以下なので、現状はそれほど困らないだろう。

Windows 10×USB DACで192kHz/24bitの再生も可能

 最後に、ダメ元でNANO-D1の192kHzモードでの接続にも挑戦してみた。

 オラソニックのサイトから専用ドライバーをダウンロードし、インストールするわけだが、当然ながらWindows 8.1までのOS用のドライバーしかない。そこでWindows 8.1用のインストーラーを起動してみたら、無事にインストール完了。foobar2000でドライバーを選択してみると、今度は192kHzの音源も再生されるし、DAC側も192kHzで認識している。もちろん96kHzの音源なら96kHzと認識する。すべて問題なく動作している。

再びFoobar2000のpreferenceでドライバーを選択したところ。汎用ではなくolasonic製のドライバーを認識し、選択することができた

再びFoobar2000のpreferenceでドライバーを選択したところ。汎用ではなくolasonic製のドライバーを認識し、選択することができた

念のため、コントロールパネルからオーディオドライバーを確認。olasonic製のドライバーを認識しており、最大192kHzまでの再生ができることがわかる

念のため、コントロールパネルからオーディオドライバーを確認。olasonic製のドライバーを認識しており、最大192kHzまでの再生ができることがわかる

 ASIOドライバーやメーカーが独自に開発した特殊なドライバーは対応できないが、リニアPCM192kHzまで対応のドライバーならばWindows 10でも使用できる可能性が高いということだ。

 現在のUSB DACは多くがDSD音源の再生に対応しており、専用ドライバー(しかもASIOドライバー)であるため、Windows 10ではメーカーなどがドライバーをアップデートを待つことになる。反面、スペック的には魅力が薄くなってしまった最大96kHz/24bitのものは動作する可能性が高い。

 実際のところ、筆者もNANO-D1を使う機会は減っていたのだが、意外なところで大活躍してくれた。あっさりと処分したり、誰かにあげたりしなくてよかった。

 OSがサポートしている汎用規格というのはこういうときに頼もしい。DSDなどには対応していないが、音質の良さが気に入っている高価なUSB DACなどを使っている人にとっても朗報だろう。まあ、ASIOドライバー勢もWindows 10の正式リリースまでにはドライバーをアップデートしてくれるとは思うが。

 そして、Windows 10がUSB Audio Class 2.0をサポートしているかどうかについては、どうやら非対応のようだ。NANO-D1の場合、専用ドライバーをインストールしない状態で192kHzモードで接続しても、OS自体がUSB DACを認識しない。

 少なくとも現時点ではUSB Audio Class 2.0に準じた汎用ドライバーは用意されていない可能性が高い。これだけで結論づけるのも強引だが、USB Audio Class 2.0をサポートしていれば、専用ドライバーをインストールする必要も減り、より間口が広くなるので、正式サポートにも期待したいところだ。

 今回の検証は、Foobar2000のインストールや設定、USB DACの購入など、本格的なPCオーディオの世界に踏み込んでいるので、コスト負担もあるしさまざまな専門知識も必要となる。

 そのあたりになるとハードルの高さは変わらないが、最初の一歩(Windows Media Playerでのハイレゾ対応)が踏み出しやすくなったので、初心者にとってはありがたいだろう。

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