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T教授の「戦略的衝動買い」 第330回

「続きはiPhoneで!」のApple Watchを衝動買い!

2015年05月06日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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ICTの世界では10年か15年に一度、腕時計コンピュータのブームがやってくる

ICTの世界では10年か15年に一度、腕時計コンピュータのブームがやってくる

 「Apple Watch」が届いてから今日でちょうど1週間が経過した。アップルが提唱しているライフスタイルをほぼそのままトレースしているアップルファンには極めて快適だと想像されるApple Watchだが、ごく標準的なユーザーにとってはどうだろうか?

 Apple Watchという限定されたモデルだけではなく、Android Wear系のスマートウォッチに関しても考えてみた(以降 Apple Watchもスマートウォッチの一部とする)。

あくまでiPhoneとの連携使用が前提のApple Watch

 しごく当たり前の事なのだが、ガジェット系じゃない人の中には大きな誤解をしている人も少なからずいそうなので、ここであえてお伝えするが、Apple WatchはiPhoneを持っていない人にはまったく活用することができない製品だ。これはAndroid系スマートウォッチも同様だ。

 筆者的には、サイズ的に近い、小さくいつでも簡単に取り出せるiPhoneよりも、カバンなどに収納されていることの多い大きなiPadとのコンビネーションで使ったほうが何となく効果的な気もするのだが、今のところApple WatchはiOS 8.2以降のiPhoneでのみ動作が保証されているようだ。

 メディアによっては“腕時計を再定義した”とか言われているApple Watchも、結局のところiPhoneを通信ノードとして利用し、iPhoneがネットから受け取った情報をタイムリーにユーザーの目に届けるセカンドディスプレイー的クライアントの一つだ。これは一般的なスマートウォッチの基本コンセプトとまったく同じだ。

 「ICT世界、たいていのモノは昔からある」というのが筆者の普遍の理解だが、過去には、マイクロソフトの“SPOT腕時計”のように、FM電波に乗って空から降ってくる情報をダイレクトに表示する面白い腕時計クライアントもあった。

 しかし、昨今のスマートウォッチは、とりあえずみんなが持ってるスマホを通信ノードとして、配信済み情報を上手く再利用するハードウェアだ。

 まだまだ対応アプリの少ないApple Watchを一週間ほど使ってみた筆者の感想は「続きはiPhoneで!」というイメージが頭にこびりついた感じだった。呼び方は異なるが、腕に取り付ける情報機器は古くは1980年代からある。

 以前は“腕コン”(腕コンピュータ)と呼ばれた時代もあったが、無線通信ネットワーク環境の未熟な当時は、腕コンの接続相手は容易には持ち歩けないPCだった。

 腕コンとPCをケーブル接続し、今と同じようにPCデーターの一部の切り出し・持ち出しや、腕コン上に専用アプリの実行環境を作り、アウトドアで遊んでいた。スマートウォッチの登場は、安くて速いネットワークと、それをどこでも活用できる有線から無線に変貌したスマートフォン普及のお陰なのだ。

 ただ、スマートウォッチはその登場時期が悪かった。多くの人が急激に普及しだしたケータイやスマートフォンの時計機構で満足し、腕時計をしないことが一般的な風潮となった。

腕時計をつける習慣がばくなって久しいが、最近は廉価でいい時計が日本市場にも登場しており、久々の腕時計ブームだ。左は1万数千円で買える良質シンプル腕時計

腕時計をつける習慣がばくなって久しいが、最近は廉価でいい時計が日本市場にも登場しており、久々の腕時計ブームだ。左は1万数千円で買える良質シンプル腕時計

 腕時計は安価でシンプルなファッション系と高級化路線の二極分化し、普通の人の腕時計装着率は低迷することとなった。そして腕に取り付けるスマートウォッチは世の中の腕時計のトレンドに否が応でもチャレンジすることとなってしまった。

ICT系ユーザーには超デラックスとか無駄に思えるApple Watchの豪華外箱

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高級カメラ、ブランド腕時計、高級万年筆には重厚な外箱はお約束アイテムだ

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 腕時計としてのアスペクトでは、高級路線腕時計をトレースするイメージを打ち出したApple Watchだが、先行するAndroid系のスマートウォッチより相対的に高価で少しだけオシャレだ。パッケージにも相当のお金をかけているようだ。

 腕時計としてはほとんど成功しなかったが、話題にはなったアイクポッドの腕時計をデザインしたプロダクトデザイナーを迎え、ラインナップの豊富さがウリだ。

次ページへ続く、「装着感が素晴らしいミラネーゼループ

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