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量子演算に必須な安定動作する量子エラー検出回路を開発

IBM、量子コンピューター実用化に向け重要な進歩

2015年05月01日 18時01分更新

文● 行正和義/ASCII.jp

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正方格子量子ビット回路

 IBMは4月29日、同社研究所が量子コンピューターの実用化に向けた2つの重要な進歩を遂げたと発表した。

 今回新たに開発されたのは、2種類の量子エラーを同時に検出して計測する機能と、大規模化が可能な新正方格子量子ビット回路の開発。

4つの量子ビットを保持する素子が組み込まれている 

 新たに開発した量子ビット回路は1/4インチ四方のチップにある超電導量子ビットの正方回路。1量子ビット(キュービット)は0か1かの状態だけなく、その重ねあわせの状態を取る。一般的なコンピューターと同様に、ビットが保持されることは量子コンピューターにおいても重要だが、量子ビットの状態はビットフリップと位相フリップと呼ばれる2種類のエラーが生じる。これまでどちらかの位相フリップエラーを検出する方式はあったものの、同時に2種類のエラーを検出ることは難しかった(量子ビットを観測することで情報を破壊してしまうため)。

50量子ビットがあれば現代の世界トップ500のスパコンと同クラスの演算が可能になるという

 IBMリサーチの研究グループでは、1つの正方チップ上に4つの量子ビットを保持させ、2種類の量子エラーを同時に検出できるようにしている。このチップは既存のシリコン半導体プロセスで設計・製造できるため、大規模量子コンピューター設計の基本として利用可能という。

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