SAGE Module
冷戦つながりでこんなものも展示されていた。SAGE(Semi-Automatic Ground Environment)というのは1950年代から1980年あたりまでNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)が運用していた防空システムで、要するにレーダーを使って敵の侵入を監視するとともに、適切に迎撃の指揮をとるためのシステムである。
SAGEそのものはAN/FQS-7(IBM 701の米軍での名称)をベースとしたものだが、Semi-Automaticの名前からもわかるとおり人間のオペレーターが介在するので、非常に多くの器材がシステムには含まれている。
Photo16のモジュールがいったいSAGEのどのあたりに使われていたのかは皆目見当がつかないが、ラグ板の固定方法とか立体配線の具合が時代を象徴している気がする。というか、懐かしいと思ってしまうあたりで歳がわかるというものだ。
IBM System360
サーバーつながりで、IBMのSystem 360。正確にはSystem 360/195だそうだ。英国ではUCL(University College London)がARPANETを経由して、ラザフォードにある高エネルギー研究所におかれたSystem 360/195を使っていたそうだ。
Honeywell DDP-516
Honeywellが1966年にリリースした16bitのスーパーコンピューター。同社のSeries-16という製品をベースにしたらしい。白い箱が本体で、その上に操作盤が乗っかっている(固定はされておらず、Photo19で後ろに見える配線でつながっている模様)。
操作パネルをしげしげ見てみると、ここから直接命令を入力できることがわかる。上の16個のボタンでマシンコードを設定して、下のFETCHあたりを押すと1語登録されるという感じであろう。プログラムを入力し終わったら右下のRunボタンを押すのだろう、というあたりまで容易に推察できてしまう。
PDP-10
同じ時代ということで、DEC(Digital Equipment Corporation)のPDP-10を。これはあくまでPDP-10のフロントコンソールだけであり、本体はもっと巨大である。下の説明の中の右の写真で、本体にくっついたコンソールが奥にあるのがわかる。
ASR 33
古いコンピュータマニアの中には「これが(昔)欲しかった」と言う人が少なくない、ASR33。所謂テレタイプというやつである。
筆者は稼働中のASR 33を見たことがあるのだが、ものすごい轟音と振動で、とても家庭における代物ではない。もっと言えば、もの凄い振動に耐えるべく、脚部もものすごく丈夫かつ重いもので、日本家屋では畳が抜けかねないだろう。
→次のページヘ続く (世界初のパーソナルコンピューター)

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ











