このページの本文へ

イメージとは違うオープン・ソースの実情

2015年01月14日 08時00分更新

文● Matt Asay via ReadWrite

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソフトウェアのインフラには無くてはならないが。アプリケーションには?

MTI1MDczOTM3MjQyNTU5NzYy

時に、オープンソースは粗悪であるという、見当違いで無視できない調査結果を目にすることがある。あるいは理解が難しすぎて、ニュースによってオープンソースについての理解が大きく異なることも確かだ。

Ponemon Instituteが行ったテクノロジー専門家1400人への調査でも同様だ。いくつかの回答によると、大企業はオープンソースを受け入れるのに「慎重」で「時間がかかる」という。他方で、同じデータを見ると、オープンソースに対して「概して好意的」な回答もある(この調査はZimbraの後援による。同社はオープンソースのメッセージングとコラボレーション・ソフトウェアを提供している)。

実際にはどちらも正しい。なぜなら、大規模な組織が利用する場合、オープンソースは難しくも易しくもあるからだ。

オープンソースの利用者・用途は様々

オープンソースはここ10年間で人気の的となった。Clouderaのマイク・オルソンは、「過去10年間に、主要なプラットフォーム・レベルのソフトウェア・インフラは、クローズドソースではまったく現れていません」と断言すらしている。インフラに関してはオープンソースがスタンダードとなっているわけだ。Hadoop、MongoDB、そしてMySQLからSparkに至るまで、そのどれもがオープンソースなのだ。

同時に、Ponemonの調査ではこのような統計が明らかになっている。米国企業で利用されているビジネス・アプリケーションのオープンソース率は平均30%だが、ヨーロッパでは平均25%となっている。一方、コマーシャル・オープンソース・アプリケーションは過去10年間で目覚ましい進歩を遂げた。開発がオープンソースで行われた理由もまた驚くべきものだ。

  • 米国のIT専門家の74%がコマーシャル・オープンソース・ソフトウェアは持続性とコントロールの点でよりよいと回答。
  • 米国のIT専門家の66%がコマーシャル・オープンソース・ソフトウェアはバグが少ないと感じている。また、63%がプロプライエタリ・ソフトウェアに比べてクオリティも上がるだろうと回答。
  • 米国、ヨーロッパ、中東、アフリカのIT専門家によると、低コストである点はオープンソース・ソフトウェアを差別化する主要なポイントではもはやない。さらに言うと、ただ単にコスト面よりもビジネスの継続性、コントロール、クオリティなどを重視しているわけでもない。IT専門家は、あらゆる点においてプロプライエタリ・ソフトウェアよりも優れていると考えている。

どれも素晴らしいことだが、だからといって実際にオープンソースが今すぐビジネス・アプリケーションを支配するというわけではない。(この調査の焦点である)メッセージングとコラボレーション・ソリューションを選ぶにあたって、結局のところ65%が「利用しやすさ」を主な検討事項としていることが示されている。

だが、これまで述べたように、利用しやすさのみがオープンソースの力ではない。

ソフトウェア開発を容易に

オープンソースには利用しやすさを上回る他の利点がある。柔軟性、コスト、コントロールなどの面から企業のインフラでオープンソースが取り入れられている。ガートナーのアナリスト、アレキサンダー・リンデンは、独自の分析技術を提供する企業がどんなに努力しても「革新的なデータ・サイエンティストの多くは、高度な分析データを蓄積するにあたり、オープンソースのコンポーネント(特にPythonとR)を好みます」と語っている。

だが、このような人々はかなりのギークだということも考慮する必要がある。先月の私の記事のとおり、テクノロジーの複雑さが原因で、およそ70%の企業ではビッグデータを扱う十分な体制が整っていない。適切なテクノロジーの知識を身につけた、本物のデータ・サイエンティストへ熱心に投資することのできる企業にとっては、ビッグデータは重要で競争力のある差別化要素となりつつある。

だがどの企業もそういう状況にあるわけではない。

だが、それを乗り越えてこそ最新のビッグデータ・テクノロジーを利用できるのだ。高度なパフォーマンス、(十分な)利用しやすさ、そして多くの場合より安価であることから、広く利用されているオープンソース・テクノロジーは他にも多く存在する。Linux、Drupal、Nginxなどのようなオープンソース・テクノロジーが、無数の企業でその役目を果たしている。

しかし、その価値を理解し採用・運用しているのは経営者ではなく、技術者なのだ。

これまでも、そしてこれからもこの状況は変わらないだろう。その結果、「オープンソース企業」が、オープンソースであること(洗練されていることやパッケージなど)よりも付加価値に重点を置き、オープンソースを売りにしなくなるとしても不思議ではない。

オープンソースは企業とって見逃すことができないものとなっている。オープンソース・アプリケーションの採用は、それを評価するにもオープンソースの知識が必要な究極のやり方と言えるだろう。

トップ画像提供:Shutterstock

Matt Asay
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

アクセスランキング

  1. 1位

    トピックス

    キンキンに冷えてやがる! 夏でもぶっ倒れなくするファン付ウェアの進化形を見た!ワークマン「ZERO-STAGE ファンベスト」

  2. 2位

    AV

    テレビいらない族のための録画機、配線ほぼゼロ、YouTube感覚で番組を見られる「miyotto」がスマートすぎる

  3. 3位

    ウェアラブル

    毎年7月に売り切れるやつ!ソニーの「着るクーラー」が冷却2割増しで最長15時間も冷えるとか神機すぎ!「REON POCKET PRO Plus」

  4. 4位

    AI

    AIがBlenderを勝手に操作 3D制作のハードルが一気に下がった

  5. 5位

    自動車

    「こんな小せぇJeepがあるか!」本国アメリカ人も驚く極小ハイブリッドSUVが日本上陸

  6. 6位

    トピックス

    「自動で爆風」普段着を強力9Vファン付きウェア化、イベントも外作業もクールだぜ!サンコー「爆風で上半身爽快『なんでもファン付きウェアにな~る』」

  7. 7位

    スマホ

    モトローラが“全部入りアンドロイド”の新機種 ドコモやソフトバンクでは8GBメモリー搭載で約2万2000円!

  8. 8位

    AV

    ついに会話ができるスマートスピーカーが登場!Gemini対応の実力を試してみた!

  9. 9位

    トピックス

    「ドコモの銀行」で何が変わる? ポイント最大4.5%還元、金融経済圏のメリットと課題

  10. 10位

    トピックス

    Dynabook(旧東芝)がリコール中のノートPC用ACアダプターで火災

集計期間:
2026年07月21日~2026年07月27日

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中