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Windows Info 第37回

Windows 8に搭載されるモバイルブロードバンド機能の分析

2014年12月16日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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Windows 8では、3G/LTEなどのモバイルネットワークを直接扱える

 Windows 7から、3Gなどのモバイルネットワークを扱う仕組みが変更された。Windows XPまでは、モバイルネットワークを使うハードウェアを「モデム」として「ダイヤルアップネットワーク」で利用していた。これを無線LANなどと同じく、ネットワークインターフェースで扱うことは、本来Windows Vistaで実現される予定だった。

 しかし、諸般の事情から開発が遅れ、Windows 7からモバイルネットワークを「モバイルブロードバンドネットワーク」(Mobile Broadband Network。MBN)として扱うことが可能になった。なお、以後Windowsの用語である「モバイルブロードバンドネットワーク」をMBNと略すことにする。

 モバイルネットワークには、2G、3G、LTEなどのさまざまな種類があるが、MBNでは、これを大きくGSM系とCDMA系に分けて扱っている。これは基地局以降のコアネットワークの仕組みに違いがあるからだ。なお、日本でいう「W-CDMA」は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)と総称されており、コアネットワーク側のアーキテクチャにはGSMと同じものが使われている。

 W-CDMAは、UMTSの無線部分(端末と基地局の間の通信方式)の呼称である。また、CDMA系とは日本国内ではauが採用するCDMA2000などの方式に対応している。また、LTEはGSM系となっている。利用する場合に両者を区別する必要はないが、接続方式の表記などが「UMTS」や「HSDPA」といったものになることがある。具体的には、以下のような表記が行なわれることがある。

GSM系
GPRS/EDGE/UMTS/HSDPA※1/LTE/TS-SCDMA
CDMA系
1xRTT/3xRTT/1xEV-DO/1xEvDO RevA/RevB※2

※1:HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)は下りの高速化を意味しており、方向を定めないHSPA(High Speed Packet Access)と総称することもある
※2:正式名には「Rev.A.」や「Rev.B.」のようにピリオドが入るが、MBNの表記では省略されている

 Windows 7では、MBNの基本的な仕組みが導入されたが、その利用に関しては、基本的に事業者が必要なドライバやソフトウェア、サービスの接続先情報などを提供することが想定されていて、無線LANや従来のダイヤルアップモデムによる接続先設定のように、ユーザーがこれらを設定して利用することは考慮されていなかった。このためSIMフリーのPCとしての出荷が難しく、通信キャリア扱いのPCが若干販売された程度だった。

 現在のWindows 8.1では、NDISドライバさえ入手可能ならば、ユーザーがAPNなどをGUIから設定することも可能になったほか、APNデータベースが提供されており、主要な事業者のAPN設定などは、Windowsが自動で行うことが可能になっている。

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