無料でフル機能の「Visual Studio Community 2013」発表
次に登場したのは、Developer担当のS・ソマシガー(S. Somasegar)副社長だ。同氏は、新しいVisual Studioについて具体的な説明を行なった。マイクロソフトのVisual Studioのビジョンとは、「すべてのアプリケーション」、「すべての開発者」に対応することだという。こうしてビジョンを説明したあと、具体的なデモに入った。
ソマシガー副社長は、Visual Studioは現在地上でもっとも広く使われている開発環境で、これをさまざまなコミュニティに利用してもらいたいとのことから、無料でフル機能を持つ「Visual Studio Commnunity 2013」を新しいエディションとして追加し、今すぐダウンロードできると発表した。
これは非商用アプリであれば無料、フル機能をもつVisual Studio 2013のSKUで、AndroidやiOSのアプリ開発、Windows、Linuxのサーバー開発にも対応したものだ。VS Community 2013からは、VS OnlineやAzureも利用可能だという。
さらに、既存のVSユーザー向けに、「Visual Studio 2013 Update 4」を発表した。これは、マルチプラットフォームでの開発に対応したもので、実際には、前述のCommunity版は、このUpdate 4相当の機能を持つ。こちらも今日からダウンロード可能だという。
さらにソマセガー副社長は、次世代のVSとなるVisual Studio 2015のプレビューおよび、.NET 2015のパブリックプレビューが開始されることも発表した。
.NET 2015は、これまで個別にバージョン管理されてきたASP.NETや.NET Framework、CLRなどをまとめて、1つのグループとして扱うもの。.NET 2015には、ASP.NET 5と.NET Framework 4.6が含まれる。一種のベースラインとなり、.NET 2015という呼び方をすれば、.NET Frameworkならば4.6であることが確定する。これまで.NETという表記は、過去のものをふくめて、すべての.NET関連の製品を含んでいたが、年号付きの名称を作ることで、一定のバージョンが指定できることになる。
その後、マルチプラットフォーム対応に関して、C#、C++、HTML5+JavaScriptのそれぞれでの対応方法とデモを行った。まずC#は、Xamarineと提携し、AndroidとiOSはmono(Xamarin)を使って動作させる。Windos Phoneは、Universal Windows Appsで動作させることが現在でも可能だ。これに対してC++では、ARMプロセッサを含むさまざまなプラットフォーム向けのコード出力を可能にし、HTML5+JavaScriptは、Visual Studio Tools for Apache Cordovaを使い、AndroidとiOS用アプリを生成するという。
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