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もはや数少ないカセット機器、それでもニーズはある

新ダブルカセットでテープ聴き比べ アナログは本当にいい?

2014年09月21日 12時00分更新

文● 四本淑三

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限られるカセットテープの選択肢

 なにしろカセットデッキのメディアたる、コンパクトカセットの選択肢が、ほとんどありません。

 かつては、様々なメーカーがコンパクトカセットを製造していました。1966年に国産初のカセットテープを発売したTDKをはじめとして、ソニー、日立マクセル、富士フイルム(AXIA)、日本コロムビア(DENON)、太陽誘電(That's)、住友スリーエム(Scotch)、BASF/AGFA、メモレックス、コニカ(Magnax)などなど。

 磁性体の違いによって、TYPE I(ノーマルポジション)から始まり、TYPE II(ハイポジション)、TYPE III(フェリクローム)、TYPE IV(メタル)と4つのポジションが存在し、各社各々の技術を投入して、音質やコストパフォーマンスを競っていました。

 しかし、TDKは、2007年に記録メディア事業を米国のイメーションへ売却し、2011年12月にはついにカセットテープの生産を終了しています。

 そして今、ヨドバシ・ドット・コムで買えるのは、日立マクセル、ソニー、磁気研究所の3ブランドのみ。いずれもTYPE I、ノーマルポジションの安価な製品だけです。

 カセットの音質を決定する要素として、録音・再生装置の性能と同時に、メディアであるテープの性能が重要なのは言うまでもないことです。

日立マクセル UR60 (UR-60L)。往復60分、片面30分。ヨドバシ.comで1巻165円。日立マクセルは往復10/20/30/46/60/90分が選べ、それぞれ4巻パック、10巻パックもあります。原産国表示は「テープ : 韓国」「組立 : インドネシア」

ソニー HF60 (C-60HFB)。往復60分、片面30分。ヨドバシ.comで1巻144円。現在ヨドバシ.comで販売しているのは、この往復60分のシングルパックのみです。原産国表示は日立マクセル同様「テープ : 韓国」「組立 : インドネシア」

磁気研究所 HIDISC 10 (HDAT10N10P) 往復10分。ヨドバシ.comで10巻パックのみの販売で380円。他に往復90分10巻パック(792円)も選べます。「原産地」表示は「中国」

磁気研究所 HIDISC HD 10 (HDAT10N10P2) 往復10分。ヨドバシ.comで10巻パックのみの販売で680円。他に往復60分の10巻パック(780円)、120分の10巻パック(1380円)も選べます。「原産国」表示は「中国」

(次ページでは、「現存するテープを聴き比べてみる」

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