シャープは、開発中の「MEMS-IGZO」ディスプレイを、2017年度にも量産化する計画を明らかにした。
現在、鳥取県米子市のシャープ米子工場において、すでに量産プロセスの構築に着手。2014年度中にもタブレットや車載向けにサンプル出荷を開始、2016年度にはスマートフォン、タブレット向けにサンプル出荷を開始する予定だ。
「2017年度には、現在のディスプレイのメインストリーム市場への展開を含めた形で量産を行なう。さらに高精細、高視認性といった高性能にも取り組んでいく。MEMS-IGZOディスプレイを利用することで浜辺でも視認性が高いスマホが実現できたり、車載向けの電子ミラーとしての用途にも利用できる」(シャープ 代表取締役専務執行役員 デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏)などとした。
MEMS-IGZOディスプレイは、2012年から、米クアルコムと提携して開発を加速しているもので、同社子会社であるピクストロニクスと実用化に向けて共同開発を行ってきた。
新たな競争軸は「デザイン性能」
「耐環境性能」「ユーザーインタフェース」
「スマホ向けを中心とした現在の競争軸である高精細、狭額縁といった技術の価値は、いずれ飽和すると予測される。高精細は目で見ることができる領域を超えるといったように、進化が限界に近づくこともその理由。一方で、デザイン性能、耐環境性能、ユーザーインタフェースといった3点が新たな競争軸になるだろう。
MEMS-IGZOディスプレイは、高色純度による優れた色再現性や耐環境性能、超低消費電力駆動などの特徴を備え、ディスプレイ市場における新たな競争軸を確立する技術になる」と、シャープ 代表取締役専務執行役員 デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏は位置づける。
シャープが持つIGZO-TFT技術およびディスプレイ製造技術と、ピクストロニクスが持つMEMSシャッターの基礎技術を組み合わせることで、MEMS-IGZOディスプレイの早期量産化に取り組んでいるという。
