このページの本文へ

観光客増、免税品目拡大、観光立国化にビジネスチャンス

2014年06月18日 04時37分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 安倍総理は17日、総理大臣官邸で第4回観光立国推進閣僚会議を開催した。「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014(案)」について意見交換を行ったあと、安倍総理は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を追い風として2020年に訪日外国人旅行者数2000万人を目指すと述べた。

 そのための具体策として、インドネシア向けのビザを免除やフィリピン・ベトナム向けのビザの緩和に触れている。また、10月に免税品目を拡大することで、免税店の数も2020年までに全国で1万店規模に倍増するとコメントした。現在の免税品目はおもに家電やバッグ、衣料品だが、10月からは食品や化粧品、医薬品が加わる。

DCC決済サービスのイメージ(三菱UFJニコス公式サイトより)
DCC決済サービスのイメージ(三菱UFJニコス公式サイトより)

 訪日外国人観光客の増加を見込み、さまざまなビジネスでチャンスが広がる。たとえば、新宿駅(東京)に隣接するショッピングビルのFlags(フラッグス)は、訪日外国人対象の外貨建てカード決済サービス「DCC(ダイレクト・カレンシー・コンバージョン)」を導入している。訪日外国人が自国(海外)発行のVisaもしくはMasterCardを利用する際、自国(海外)通貨建て決済できるサービスだ。決済の為替変動の影響を受ける心配がなく、訪日外国人にとってはメリットが大きい。

マネーパートナーズの「外貨引受けサービス」で外貨利用可能を示す店頭貼付用ステッカー
マネーパートナーズの「外貨引受けサービス」で外貨利用可能を示す店頭貼付用ステッカー

 マネーパートナーズは「浅草商店連合会」と提携して「外貨引受けサービス」をスタートした。外国人観光客が同連合会の商店等で支払いをする際、米ドルやユーロがそのまま使用できる。

 総務省は、訪日外国人向けに世界最高水準のICT環境を整えようとしている。「SAQ2サクサク JAPAN Project」と題したアクションプランでは、「無料Wi-Fiの整備促進と利用円滑化」をプランの1つに掲げ、空港や駅、ホテル、飲食店、観光地などに無料で利用できるようにWi-Fi環境の整備に力を入れる。

 これに即して実際に民間では、たとえば日本航空(JAL)と東日本電信電話(NTT東日本)が両社のサービスを提携。海外発日本行きJAL便航空券を購入した客に対してIDとパスワードを提供し、NTT東日本が提供する公衆無線LANアクセスポイントサービス「光ステーション」を14日間無料で手軽に利用できるようにする。

 「SAQ2サクサク JAPAN Project」には、訪日外国人がMVNO等の販売するSIMを迅速かつ容易に利用できるようにする、国際ローミング料金を低廉化する、といったプランも盛り込まれている。また、「言葉の壁」をなくす「グローバルコミュニケーション計画」として、飲食店の店員や観光案内所の案内係、タクシードライバーをはじめ、多くの人が街中で翻訳システムを手軽に利用できるように推進するという。こうしたさまざまなビジネスでチャンスが広がっている。

■関連サイト

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中