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iOS端末との相性は抜群、でもNASがあればもっと楽しめるかも?

ボーズ「SoundTouch」から見るネットワーク・オーディオのよさと期待

2014年03月30日 12時00分更新

文● 四本淑三 撮影●篠原孝志(パシャ)

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改めてAirPlayのよさに気づく

 最後に、これが現状では一番大きなメリット。AirPlayに対応していることです。Mac OS Xならシステム環境設定からSoundTouch Portableを選択して、パソコンの音声全体を出力できます。これでYouTubeなど、ブラウザで再生する動画サイトの音声も聴けるようになります。

[システム環境設定]>[サウンド]>[出力]で設定

 ただ、この場合は映像に対するオーディオの遅延が問題になります。映像はストリーミングを受信したパソコンでそのまま再生するわけですが、音声はルーターに回り、そこからまたWi-Fiを経由してスピーカーを鳴らすわけで、どうしても遅れがち。場合によっては音声だけ昔の国際電話のように何秒か遅れて鳴り始めるので、動画の意味が分からなくなることもあります(接続に使ったルーターは、802.11n対応のAirMac Expressです)。

 ところがその一方で、iOS端末や、パソコンでiTunesのムービーを再生する場合、AirPlayの出力先にSoundTouch Portableを選んでも、音声は映像から遅れることはありません。むしろBluetoothより遅延がなくて快適です。実はこれが、もっとも大きなメリットではないかと思いました。

YouTubeを再生中のiPadで、出力先にSoundTouch Portableを選んだところ。当然ながら通常のAirPlay対応スピーカーとして使えます

※ 画面はバチバチソニックというバンドの撮影ムービー。もとの動画はこちらからご覧いただけます。

わざわざDLNAを使う理由は?

 ところで、きっとAppleユーザーのみなさんはモヤモヤしていらっしゃるでしょう。「だったらAirPlayでいいんじゃないの?」と。確かにその通りで、わざわざDLNAを使ってサーバーの設定をしなくても、iTunesのライブラリ共有で同じことはできるわけです。

 ただ、今後、SoundTouchはNASに対応する予定となっており、これが実現して本領発揮ということになるでしょう。現状はパソコンの電源を落としてしまうと、当たり前のようにパソコン内の音源は聴けなくなってしまうので、ネットワークで接続するメリットが実感できません。

SoundTouch Controllerのセットアップ時に表示される「音楽ライブラリの設定」画面。グレーアウトしているので分かりにくいが「iTunes」「Windows Media Player」、そして「ネットワーク接続型ストレージ(NAS)」という文字が見える。現在はまだベータ機能

 問題は、そうした目的のためにNASを準備するユーザーがどれくらいいるかという点です。私はしばらく使ってみて、試してみる価値はあるかなと、じわじわ思い始めているところです。

 ソニーも、このボーズのシリーズに対抗するように「SRS-X7」「SRS-X9」というDLNA、AirPlayに対応するWi-Fiスピーカーを出してきました。近いうちにボーズとの音質の比較も含め、その使用感をお伝えできるでしょう。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター、武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。インターネットやデジタル・テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレ。

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