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World of Tanksの世界へパンツァー・フォー 第12回

後編:フランス ソミュール戦車博物館 探訪記

シャーマンからメルカバまで戦車200両を一気見してきた!

2014年03月28日 18時00分更新

文● 大塚正諭 撮影●大塚正諭

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隣接する工場でのレストアや修繕に使用される保管パーツが山のように。この奥にも見かけた事から、相応のストックを持っているようだ

館内以外も見所いっぱい!

 博物館に隣接するのは工場で、レストア中の車両やスペースの関係で館内に展示出来ない車両が保管されているが、こちらは立ち入り禁止となっている。博物館敷地にはレストア待ちと思われる車両が置いており、特にAMX系列の車両が多いが、T-34やドイツ戦車の姿もちらほらと。運が良ければトランスポーターへの積み込みやレストア明け等によるエンジン始動やテスト走行をする風景も見られる。

外でエンジン音がするので、ふと見るとT-72が。博物館展示車両は分解状態だったので、これで初めてT-72の完全な姿を見る事に

そして動き出したと思ったら、トレーラーに搭載。2009年の訪問時は7月だったので、おそらくイベント会場への輸送だったと思われる

続いてAMX-30の積み込み。軍人に声をかけ「安全な場所で見るなら大丈夫」との返事をもらったので、離れた場所から一部始終見守る事に

軒下に置いてあったパンター。塗装がきれいなので、工場でレストア待ちの状態。個人的には工場見学ツアーも開催してほしいと感じたり……

 入場券を持っていれば再入場も可能なので、再び館内へ戻り売店へ。ここには戦車のプラモデル(タミヤ、イタレリ製等)、書籍、Tシャツ、帽子、子供向けの玩具等が売られており、博物館オリジナル商品としてパンフレット(訪問当時、在庫はドイツ語バージョンのみ)があったので、これを数冊購入。

 館内にはトイレはあるがレストランや喫茶店と言った食事が出来る場所はなく、飲料水(水、コーラ、ジュース、コーヒー)とスナック菓子(ポテトチップ、チョコレート、マドレーヌ、ワッフル)の自動販売機があるだけなので、食事をしたい場合はソミュール駅の売店や市街地などで事前購入し、持ち込みした方が良い(館内にある休憩所で飲食可)。

博物館内や周辺には食堂、喫茶店は無いので、事前持ち込みが望ましい。なお、休憩所には飲料水と菓子類の自動販売機がある

売店には玩具、書籍、プラモデル、Tシャツと言ったお土産品が多数販売。カード決済も可能なので、買いすぎないように注意したい(笑)

 ソミュール戦車博物館の特徴としては、展示車両の多くがスペースに余裕を持って展示してあり、また車両を囲むロープ、柵もないので直に触ることも可能なのは大きい。特にモデラーの方々は車両の細部まで見られるので、模型製作の参考になるだろう。

 撮影に関しても先に述べた通り、撮影料を支払えばある程度自由に撮れるのも魅力だが、車両の上面が見たいからと言って、車両に登ることはもちろん禁止であり、また係員の指示があれば従う事。ルールとマナーを守って楽しんでほしい。

 博物館内は明りの届かない暗い場所もあるので、一眼レフの場合はスピードライトが必須、展示エリアには狭い場所もあるので、広角レンズが欲しいところ。

 筆者は2009年、2011年の撮影当時、カメラボディは2台(EOS-1D MarkⅡとEOS40D)、レンズは2本(17-40 F4Lと18-200 F3.5-6.3)、スピードライト1個(580EX Ⅱ)と予備バッテリー、乾電池(エネループ)、コンパクトフラッシュ(2GB×8枚)を持参。

 2013年はカメラ2台(EOS-1D MarkⅣ、EOS-5D MarkⅡ)、レンズ2本(17-40 F4L、24-105 F4L IS)、スピードライト1個(580EX Ⅱ)と予備バッテリー、乾電池(エネループ)、コンパクトフラッシュ(16GB×2枚、8GB×2枚、4GB×2枚)を準備した。

写真のようにナナメ振りで押さえたい場合、後ろに下がれるスペースが足りないと悲しいことに。念のため広角レンズの持参をおすすめする(写真はフランスの現用車両・ルクレール)

ゲームやプラモデルで見たあの車両が目の前に!

 今まで書籍やネット画面、テレビやゲームの映像でしか見られなかった実物の車両を見たのは大きな収穫となりましたし、昔作ったプラモデルやボックスアートで見た車両が目の前に! と言う感動もありました。

 もちろん本やネットで見たり、プラモデルを作ったり、ゲームをプレイする事でも楽しめますが、やはり自分の目で実物を見て触るのは大いに違うと感じました。一度でも実物を見れば、模型製作やゲームなどでも、より一層楽しめると思います。


大きな地図で見る

 もちろん、現地に行くにはそれなりの準備と費用、時間はかかりますが、これらをクリアしてでも行く価値は十分あるでしょう。残念ながら今の日本の現状では、一部車両を除き実物を見ることは不可能です。どうしても見たいと言うのなら、自分から現地へ赴くしかありません。「絶対に見たい!」と言う強い気持ちを持って行動すれば叶うと思います。

 そして海外旅行に関して、誰もが一番不安になるのは言葉の問題だと思いますが、フランス語は全然話せず(最低限のマナーである挨拶とお礼の言葉は覚えましたが)、英語も知っている単語しか話せない自分でしたが、いざとなったら身振り手振りと筆記で通じました。

 2009年の経験を生かし2011年、2013年にも行って来ましたが、毎回訪問する度にレイアウトが変更されていたり、姿が見当たらない車両もあった事から、やはり何度も行かなくてはと思いました(笑)。

筆者紹介:大塚正諭

著者近影

 1974年、静岡県出身。子供の頃から鉄道、自動車、飛行機、船などの乗り物に興味を持ち中学校入学時、祖父に買ってもらった一眼レフカメラを手にしたのがきっかけで撮影を始める。

 学生時代は鉄道、航空機が中心だったが、最近は働く車(特に警察車両、消防車両)や官公庁への取材活動を中心とし、「実物を見て触って感じる事に勝るものはなし」をモットーに、海外の航空ショーや博物館へ赴き、日本では見る事の出来ない航空機や車両の撮影も行っており、現在は子供向けの乗り物絵本や軍事雑誌を中心に活動。

 なお著者近影は2011年にベルギー空軍のエアショーを訪れた際、化学防護服着用を勧められた際に撮ったもの。他国の装備を着用可能な機会は中々ないので、ある意味貴重な体験に。

 近年の海外渡航時はメジャーよりもマイナーな場所を好みつつあるのが傾向で、以前訪れたフランス空軍やベルギー空軍のエアショー、オランダ海軍のオープンイベントなどでは日本人の姿を見かけた事はほぼ皆無と言う現象が(汗)。果たして2014年は何処に行けるのやら……。

 静岡県御殿場市に本部のあるNPO法人「防衛技術博物館を創る会」会員であり、会報では訪問した博物館リポートも掲載している。

 現在当会では、京都府内で発見された日本初の四輪駆動自動車「くろがね四起」の復元計画を実施中で、クラウドファンディング形式にて支援を募集中。詳細はこちらを参照。皆様のご支援、宜しくお願いします。筆者のFacebookはmasashi.otsuka1104

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