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T教授の「戦略的衝動買い」 第272回

手回し充電機能付きDIYデジカメ「Bigshot」を衝動買い!

2013年12月04日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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作る楽しみと遊ぶ楽しみの両方を実現してくれるBigshot DIYデジカメ

作る楽しみと遊ぶ楽しみの両方を実現してくれるBigshot DIYデジカメ

 1994年に産声を上げたカシオのデジカメ「QV-10」が来年で満20歳の誕生日を迎える。10年ほど昔には、いつになったらアナログカメラの表現力を超えることができるか? なんて話題がよく取り上げられたものだ。しかしこの20年、デジカメは驚異的な進歩を遂げ、そんな話題もとんと聞かれなくなった。

 圧倒的なデジタルカメラの進化と市場の寡占化は、逆に光学的なアナログカメラのよさを見直す機会を創出しはじめている。オールドレンズやクラシックカメラの人気復活がその1つの現われなのかもしれない。

 そしてデジカメが生まれた頃に誕生した若い世代にも、インスタントカメラやトイカメラ、針穴写真機の愛好家が出現し、新しい世代のアナログカメラや組み立て式アナログカメラが人気だ。

 そんな価値が多様化する時代に、今までは考えられなかったデジタルカメラのキットが米国で発売され、日本にも代理店経由で輸入されるようになってきた。

組み立て式の発電機付デジカメ「Bigshot」

キットは8歳から108歳までが楽しみながら作れるという自信作だ

キットは8歳から108歳までが楽しみながら作れるという自信作だ

 カメラの名前は「Bigshot」。元々はコンピュータサイエンスが専門の大学教授が子供たちの教育ツールとして作ったモノがオリジナルのようだ。そのプロトモデルをシェイプアップし、コストリダクションして2013年にでき上がったのがこの製品。

 Bigshotは、1台で標準、広角(パノラマ)、ステレオ(3D)の撮影を実現する、手回し発電機付きのデジタルカメラの組み立てキットだ。パッケージ表面に記載されているように、このキットは8歳の子供から108歳のお年寄りまで、対象年齢は幅広い。

使用部品はある程度、機能別かつ組み立て順に、美しく整然と配列されている

使用部品はある程度、機能別かつ組み立て順に、美しく整然と配列されている

組み立てマニュアルは極めて秀作だ。ウェブ上にもより詳細なマニュアルがある

組み立てマニュアルは極めて秀作だ。ウェブ上にもより詳細なマニュアルがある

 早速、キットを開けてみると、組み立てに必要なパーツが、おおよそ組み立て順、目的別に整然とパックされている。添付の組み立てマニュアルも、組み立ての順を追って詳細に記述されており、教育用玩具としてスタートしたということがよく分かる。必要ならウェブ上のより詳細な組み立てマニュアルを見て組み上げてゆくことも可能だ。

付属のドライバー(ねじ回し)以外は何も道具はいらない。指先だけだ

付属のドライバー(ねじ回し)以外は何も道具はいらない。指先だけだ

まずはフレームに発電装置部分を組み上げてゆく作業からスタート

まずはフレームに発電装置部分を組み上げてゆく作業からスタート

複数のギアとモーターをDYNAMO COVERで固定すれば発電機部分はほぼ完成だ

複数のギアとモーターをDYNAMO COVERで固定すれば発電機部分はほぼ完成だ

 最初の組み立てはBigshotの大きな特徴でもある発電機部分からだ。カメラフレームの内側でいくつかのギアを組み上げ、モーターを組み込み固定し、外側に手回し用のクランクを取り付ければおおむね終了だ。

続いてメインの論理基板部分を組み込む。ユニットとして完成しているので楽勝

続いてメインの論理基板部分を組み込む。ユニットとして完成しているので楽勝

 次はデジタルカメラの心臓部である論理回路基板(PCBモジュール)だが、この部分はイメージセンサー(300万画素)はじめ、液晶ディスプレー、メモリー(121MB・写真120枚分)、各種コントローラー、miniUSBポートなど、すべてが出荷状態で組み上げられており、単一のユニットに仕上がっている。

ユニットを3本のネジでフレームに固定する。シャッターの可動は要チェック!

ユニットを3本のネジでフレームに固定する。シャッターの可動は要チェック!

続いて充電池の組み込みを行なう。論理基板からのケーブルと結線して終了

続いて充電池の組み込みを行なう。論理基板からのケーブルと結線して終了

透明な裏ブタを4本のネジでフレームと固定すれば、次はレンズ部分の組み立て

透明な裏ブタを4本のネジでフレームと固定すれば、次はレンズ部分の組み立て

 ユーザーは、そのユニットをカメラ本体に組み込み3つのネジで固定するだけだ。そして、PCBモジュールのケーブルにモーターとバッテリーの両ケーブルを結線し、透明の背面カバーをねじ止めすればアッという間に完成だ。

回転式のレンズホイールを任意のレンズ位置で固定するためのスプリングを組み立てる

回転式のレンズホイールを任意のレンズ位置で固定するためのスプリングを組み立てる

レンズホイールをフレームに固定し、ホイールカバーを取り付ける

レンズホイールをフレームに固定し、ホイールカバーを取り付ける

レンズホイールの中央にLEDフラッシュをねじ込んでレンズ部分も完成だ。現在の選択レンズはパノラマ(広角)

レンズホイールの中央にLEDフラッシュをねじ込んでレンズ部分も完成だ。現在の選択レンズはパノラマ(広角)

 組み立て作業の最後の工程は、標準、広角やステレオ専用レンズを回転させるダイヤルである「Lens Wheel」のカメラフレームへの組み込みだ。

 目的のレンズを固定し、撮影を行なうために2つのスプリングロックを組み込み、カメラ本体に取り付け、中央にLEDフラッシュを固定する。

 これでBigshotの組立作業のすべてが終了した。不器用な筆者でも作業開始してから1時間くらいだった。

ストラップを取り付けたら100%完成だ。残ったパーツは予備のネジとminiUSBケーブル、3Dメガネだけ

ストラップを取り付けたら100%完成だ。残ったパーツは予備のネジとminiUSBケーブル、3Dメガネだけ


「戦略的衝動買い」とは?

 そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。

 それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。

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