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ビジネスに効くFacebook作成講座 第2回

偏差値65を叩き出すFacebookページにする2つのアプローチ!

2013年01月16日 10時00分更新

文● (株)コムニコ 林雅之

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FBページとファンの関係を示す「エッジランク」

 もうひとつ、知っておきたい知識として「エッジランク」の話をしておきましょう。実は、FBページは投稿しても、FBページに対して「いいね!」をしてくれたファン全員に記事が届くとは限りません。Facebookはユーザーごとに有益な情報と、そうでない情報とを精査し、判断しています。そのため、投稿したとしても、読まれているかどうか以前に、ニュースフィードに表示されていないという可能性もあるんです。これは、FBページに限らず、投稿された記事全般について適用されている「エッジランク」というFacebookのアルゴリズムが働いているからです。

Facebook社発表資料をもとに編集部で作成。3つの要素のスコアが高ければ高いほど、ファンのニュースフィードに投稿が届きやすくなる

 エッジランクによって、たとえ「友達」になっていても、相手とのやりとりの頻度が少なくなるとエッジランクは下がり、その友達の投稿は自分のニュースフィードに表示されなくなります。 このエッジランクの要素としては、次のように設定されています。

・affinity score(親密度)
投稿の発信側と受信者の親密度。ユーザーごとのFBページに対する反応がスコア化される

・weight(重み)
ユーザーの反応の種類による重み。例えば、記事への「いいね!」よりもコメントの方が重要だとされる

・time decay(経過時間)
投稿されてからの経過時間。古い投稿より新しい投稿の方が重要性が高いとされる  

 これら3つの要素のスコアが高ければ高いほど、ファンのニュースフィードに投稿が表示されるようになります。ですから、FBページの運営において、投稿に対してちゃんと反応してもらうということは、エッジランクを維持する観点からいっても重要なことと言えます。

 このエッジランクのアルゴリズムもちょくちょく変更が加えられるので、ある日突然、エッジランクが下がってリーチが落ちてしまうということもあり得ます。

 また、長期休暇に入って投稿をしなくなると、休み明けにエッジランクが下がって、リーチが落ちることもあります。ゴールデンウィークの5日から1週間程度で激減したという話もあります。いったん下がってしまったエッジランクをもう一度上げるのは大変なので、数日投稿ができないという時は予約投稿機能を使うなどして、うまく乗り越えたいところです。

 企業がFBページを運営するということは、ユーザーのニュースフィードを奪い合うことだとも言えます。競争相手は企業の投稿だけでなく、ユーザーの友達の投稿だったりするので、厳しい戦いであるといえます。競合他社の運営はどうなっているのかを気にするだけでなく、とにかく自分のFBページの投稿にどう反応してもらえるかどうかが重要なのです。

FBページに“偏差値”を設定してみた

 FBページを作ったら、FBページに「いいね!」をしたファン数、投稿した記事に「いいね!」された数が気になりますし、競合他社のFBページの様子が気になってしまうものです。しかし、単純にこれらの数が多いか少ないかだけでは、FBページがよい状態で運営できているとは判断できません。前回、KPIを設定してファン数、反応率を伸ばしていくという話をしましたが、ファン数を増やして反応率も上げていくということは難しいことです。

調査はニフティ株式会社と共同で行なわれた

 なぜなら、実は、ファンが増えるとブランドへのシンパシーを感じる度合いが薄いという人が増えていくので、トータルでは反応率が落ちてしまうということが往々にしてあるからです。例えば、Appleには製品に対する熱狂的な信者がいましたが、iPhoneが登場し、Apple製品の利用者が増えると、その熱量は平均的に下がるようなことが起こりますが、それと同じですね。

 そこでコムニコでは、投稿記事やコメントを分析すれば、反応率を上げるためのTIPSがわかるのではないか、そして「このファン数だったら、このくらいの反応率が出ていれば相対的に優秀なFBページである」と判断できるスイートスポットがあるはず、と考えたのです。

 それを調べるために、コムニコでは、日本語で運営されている主要企業のFBページの投稿データから、反応率が高いFBページとはどういったものなのかの分析と、利用者のパネル調査を行ないました。期間は2012年7月1日から9月1日の2ヵ月間。FBページの全部の投稿記事と、それに対してつけられたコメントを抽出し、記事の中身に触れているものについてはテキストマイニングを使ったりして調べました。Facebook社からも、日本でここまでやっているのは見たことがないと言われたので、こうした調査をしたのは私たちが一番早いと思います。

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