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使いやすさで他を圧倒!

手のひらタブレットの王、「iPad mini」の魅力を徹底検証

2012年11月01日 21時00分更新

文● 林信行

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街使いをしても不審者にならない!?

 薄く片手で持ちやすいサイズで、しかも308gと軽いと、使い方にも大きな差が出てくる。

 まず、そもそも屋外で使う機会が圧倒的に増える。従来のiPadも薄いので、カバンの隙間に入れて持ち歩くことは多かった。ただし、片手にカバンを持ちながら、もう片方の手でiPadで調べ物をするというスタイルは、どうしても手が疲れてしまい長時間続かない。調べてはカバンに戻し、また取り出しては調べという使い方が多いだろう。あるいは、どこかに腰を下ろして、机の上あるいはヒザの上にiPadを置いて調べものというスタイルになっていたはずだ。

 レビュー中は、まだ発売前で、公の場で外には出せなかったので実際に試せたわけではないが、例えば満員電車の中で、これまでのiPadで電子ブックや電子新聞を読んでいると、「この人、周囲のことも考えずに……」と読むことを頑張りすぎている印象があった。体勢が保てず片手で読んでいるのだとしたら、かなり頑張って支えていた手にも震えがきているはずだ。これがiPad miniであれば周囲の目も「まあ、片手だし、いいかな」と優しくなれそうだ。

 これまであまり見なかった新種のデバイスというものは、使っている時に何かと周囲の目も気になるも。

 町中で、これまでのiPadでナビをしながら立ち止まっていると「オヤ? なんだろう」と周囲もビックリしてしまうインパクトがあった。特に、画面に顔に近づけみていると、周囲からは自分の顔が完全に隠れて見えず、結構怪しい雰囲気が漂う。しかし、iPad miniであれば、ビジネス書並みのサイズだけに周囲の目に留まりにくく、自然に見える。詳細を見ようと顔に近い位置で持っても、顔が完全に隠れるまでにはなかなかいたらず、不審の目を集めずに済む。どうしても気になるのなら、落ち着いた風合いのカバーを使えば、大きめのシステム手帳を使っているかのように見え、より自然になるはずだ(ただし、カバーの分だけ重量が重くなる)。

iPad mini(写真左)で本を読んでいる姿は、「まあ、ありかな?」と思える。だが、これまでのiPadのサイズ(写真右)だと、ある程度、顔からは離しておく(できれば座ってヒザに置く)などしないと、ちょっと怪しい

 もちろん、iPhone 5の方がさらに自然かもしれないが、こちらは4インチと画面が小さい。地図やカレンダーなどを見渡すときは、やはり7.9インチの広いサイズでXGA(1024×768ドット)ほどの解像度を持つiPad miniだと、それだけでかなり快適になる。

 長い間、パソコン画面の標準サイズとして、さまざまなアプリケーションやウェブページがターゲットサイズとしてきたXGA解像度を、手の平に載るサイズとジャケットのポケットにすら収まる薄さに仕上げたことこそが、iPad miniの真骨頂だ。

これまでの7インチタブレット(左)だと、多くのウェブページで「あと、もうちょっと見たい。惜しい!」という画面に度々遭遇するが、iPad mini(右)では「チョウドいい!」感じで閲覧できることが多い

 この「最高にチョウドいい」大きさ、薄さ、軽さと画面サイズだからこそ、カバンのサイドポケットに入れてどこへでも持ち歩き、困った時にネットで調べ物をしたり、余った時間に読書やゲームを楽しんだり、最近の思い出を友達と一緒に写真で振り返ったりといったライフスタイルが広がっていくのだ。手の平に載ってしまう、この小さなサイズのデバイスから。

「iPad mini Smart Cover」をスタンドにして立てた際のiPad miniのサイズ感は、ちょうどカーナビや機内エンターテイメントシステムを彷彿させる感じだ

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