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あいつら、未来に生きてるぜ!MMDの魅力を徹底解説 最終回

すべては愛のなせるワザ!美しすぎる3Dを作る「MMDer」たち

2012年09月15日 12時00分更新

文● kawara(@kawaraSAN

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MMEにこの人あり!/ビームマンP

ビームマンPが開発しているMMEのエフェクト集。定期的に公開されている配布動画のひとつ。いつものことながら、MMDでここまでの表現ができるのかと驚かされる作品でもある。

 MME(MikuMikuEffect /舞力介入P作)の登場により、MMDは、よりリアルなモデルの描画や、画面の特殊効果(エフェクト)が可能となった。MMEの登場初期に、「ビーム」表現を可能としたエフェクトを投入、また、リアルな水の波紋など、数多くのエフェクトを日々開発・配布しているのがビームマンPだ。今や、MMD動画制作には欠かせないキーマンのひとりとなったビームマンPに、なぜエフェクトを作ろうとしたのか、配布を続けるのか、聞いてみた。


Interview with ビームマンP――
巨神兵の、あのビームがすべての始まり……

―― 最初は、ゲーム系から入られたわけですよね。

コンピュータ総合学園HALをよろしくお願いします!


―― えーと……(笑)。

在学中にこんなコンテストに応募したり、こんなゲームを作ってました。

学生時代につくった、いわゆる「就職作品」のゲーム。ゲームとしての完成度よりもエフェクトの完成度に命をささげた


―― エフェクトのオンパレードだ。ゲームのほうめちゃくちゃすごいですね。

ゲーム性を捨ててエフェクトに時間を費やしましたからね!


―― なんでエフェクトに興味持っちゃったんでしょう。

最初は、巨神兵。そこから怪獣もの、各種ハリウッド映画とズブズブ……。邦画だったら、平成ガメラシリーズが大好きで、自分の大好きな歪みエフェクトを初めて効果的に使った作品だったと思うのです。

「結界」(左)、「弾幕」(右)。エフェクトに魅せられたのは「巨神兵」がきっかけだったという


―― ガメラ……、わかります。MMDとの出会いは、XNA(MMDキャラクターをXbox360で動かすシステム)が登場してからです?

それまでは見てなかった。ただ、ポンポコPの『ゲキド・オブ・ハツネ』を見て、エフェクトがよければなぁと思った記憶はあります。偉そうに。XNAライブラリーを見たときは、「これでゲームのモデルを作らなくて済む」と思いました。っていうのも、ゲームで使えるレベルのモデルの作者さんと知り合う機会なんて、そうないじゃないですか。あと、モーション職人さんとかも。こういう人たちと組めばゲームが作れる! そう思ったです。

ゲキド・オブ・ハツネ

―― 現在もMMDのゲーム化計画は進んでいる?

ナイショですが、これぐらいは見せてもいいかなぁ。

見せていただいたCG。これは……!


―― これは……! いや、ナイショですね。それで、MMEが登場してから、猛烈にエフェクトを作り始めると。今まで何本ぐらいエフェクトを作りました?

100本ぐらいかなぁ、よくわかんない。短いのだと10分、長いのでも10日ぐらいで1本できますから。


―― そうやって、エフェクトを作って、配布するモチベーションって、なんなんです?

頼まれると断れない性格だから、というのは冗談ですけど、恩を売るって程打算的なわけじゃないですが、フォローしあうことができる環境って素敵じゃないですか。

メカシェーダー(左)、錆系メカシェーダー(右)。後者がホラーだが、本来はメカ系素材に使う


―― なるほど。MMDの文化のいいところのひとつですよね。

自分は、モーションも、モデリングもできない人ですので。遊びに行く友達も増えたし。温泉に行って殺人事件も楽しんだです。


―― 内輪ネタになってきた……(笑)。えっと、ビームマンさんのようにプログラミングのスキルでMMDに関わりたいという人も多いと思うのですが、アドバイスとかあります?

あまり効率的なプログラムを書いている人でもないのであんまり偉そうな事はいえませんが、実際MMDを触ってみて何が欲しいかを肌で感じるのが一番かな、と。それが自分にとっては「ビーム」だったわけですが。内需というか、自分が欲しい物をつくっていけば、同じものが欲しい人は3人はいるものです。あと、「MikuMikuEffectで学ぶHLSL入門」なんていう記事も書いてますので、エフェクト作りたい人には参考にしてもらえるといいかもです!


ビームマンPさんのマシン環境&使用ソフト

CPU:Core i5-2500K 3.30GHz 、メモリー:16GB
グラフィック:GeForce GTX 560 Ti、(2GB) OS:Windows 7 Professional
ソフト:MMD、Photoshop、UnEditor、Aviutl、つんでれんこ


ビームマンPさんのおすすめMMD
【第7回MMD杯本選】MMDからの出力に123800秒かかった動画

ビームマンPをして「材質単位の調整の細かさ、光源の扱いとこだわりがすごい」といわしめる、エフェクトの制作者でもあるlessさんが、ほかの方が作ったエフェクトをも駆使して作られた、パソコンと地球に優しくない(?)動画。

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