NFCとスマホアプリで新たな価値をもたらす“スマート家電”
同氏は「すでにAVは、映像技術とITとが融合し、ブロードバンドや宅内Wi-Fiにより、新たなAVライフの提案がはじまっている」と語り、「これからは白物も変わることになる」と続けた。
まず、パナソニックが着目したのが携帯電話やスマートフォンで利用されているNFC(近距離無線通信)である。
「スマートフォンなどに搭載されている国際規格のNFCを活用することで、家電がクラウドとネットでつながり、お客様に新たな価値やサービスを提供することが可能になる」
そして、「NFC技術とパナソニック・スマート・アプリを介して、白物家電に新たなサービスと価値を付加できる。これがパナソニックのスマート家電である」と宣言した。
今回発表したのは、エアコン、洗濯機、体組成計、活動量計、血圧計の6カテゴリー。
ルームエアコンの「Xシリーズ」(市場想定価格21~34万円前後)、トップユニット冷蔵庫の「NR-F557XV」(同30万円前後)、ドラム式洗濯乾燥機の「NA-VX8200/VT8200」(同34万円前後および35万円前後)、体組成バランス計の「EW-FA43」(同1万円前後)、活動量計の「EW-NK63」(同6000円前後)、手くび式血圧計の「EW-BW53」(1万円前後)である。
すでに今年6月には、スマート家電として、スチームオーブンレンジ「NE-R3500」および、スチームIHジャー炊飯器「SR-SX102/SX182」を発売しており、これによって同社のスマート家電製品は、8カテゴリーにおよぶことになる。
使い方トラブルの対応、健康情報の蓄積などが手軽に
同社では、Android搭載スマートフォンで利用できる「パナソニック・スマート・アプリ」を無償で提供。これによって、スマートフォンを通じてスマート家電の制御や、遠隔操作、情報の共有ができるようになる。
外出先からの遠隔操作でエアコンのスイッチを入れたり、冷蔵庫の省エネ運転の状況を確認するといった使い方のほか、洗濯機で使用する洗剤や柔軟剤の最適な量をスマートフォンに表示するといったことができる。
また、体組成バランス計や活動計、手くび血圧計で計測したデータをスマートフォンに表示し、グラフ化したデータをみながら、ダイエットや健康管理に生かすこともできる。
さらに、家電製品の使い方がわからなかった場合にも、取り扱い説明書を出さなくても、スマート家電にかざしたスマートフォンから内容を確認したり、エラーが発生した場合にも、それに関する情報を知ることができるという。
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