今年、マイクロソフトのマウス事業が30周年目を迎えた。
マイクロソフトのハードウエア部門は1982年に設置。その翌年には、マウスの第1号製品「Microsoft Mouse」が登場。1993年には、エルゴノミクス(人間工学)デザインを初めて採用した「Mouse 2.0」を投入したほか、1999年には業界初の光学式マウスを発売。2008年には青色LEDによるBlue Trackテクノロジーを搭載したマウスを発売するなど、マイクロソフトは、初めての機能を搭載したマウスを数多く発売してきた。
日本マイクロソフト コンシューマー&パートナーグループリテールビジネス統轄本部長の五十嵐章執行役は、「マウスは、技術的進化を遂げる一方で、デザイン面でも大きく変化している。当初は仕事で利用することからモノトーンのカラーの製品が多かったが、ノートPCの比率が増え、持ち運ぶといった使い方が増えるにしたがい、カラーバリエーションをもった製品が増えてきた。量販店では300種類以上のマウスが並び、自分にあったマウスを選択できる。そして、昨年9月からは、カラーバリエーションをもう一歩進めたものとして、アーティストエディションを用意した。マウスを見せたい、個性を発揮したい、格好いいものを持ちたいというニーズに対応するものになる」と、昨今のデザイン面での変化についても触れる。
マイクロソフトが発売するアーティストエディションは、世界中のアーティストによってデザインされたマウスだ。現在発売されている「Microsoft Wireless Mobile Mouse 3500 アーティストエディション」は、その第2弾となるもので、4人のデザイナーが参加。この中に、日本人グラフィックアーティストのKENZO MINAMI(ケンゾー ミナミ)氏によるものが含まれている。
「デザインされたマウスは、世界各国のマイクロソフトの営業担当者が、自分の国ではこれぐらい売るとコミットして、その総数によって上位から製品化される。KENZO MINAMI氏のデザインは、その中で最も評価が高かったもの」と、五十嵐執行役は裏話を披露する。
KENZO MINAMI氏は、兵庫県出身。関西学院大学にて美学芸術学/哲学を学んだ後に渡米し、パーソンズ・スクール・オブ・デザインにてプロダクト・デザインのBFA(Bachelor of Fine Arts/美術学士)を取得。MTVをはじめとするセットデザイナーおよびプロップデザイナーとしてキャリアをスタートし、ニューヨークを拠点に19年間に渡り活動。2003年には、ナイキのニューヨーク初のアートギャラリーにおいて、最初のアーティストとして壁画を描いたほか、2007年にはアンディー・ウォーホール氏らとともに、「FAMOUS CARS + FAMOUS PEOPLE」の4人のアーティストの1人に選出。主なクライアントに、メルセデスベンツ、デル、ラフシモンズ、シャープ、ナイキ、アディダス、リーボック、コンバースなどがある。
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