限りなく続くチューニングが
軽快な動作を実現した
――さて、今回の「ノートンインターネットセキュリティ2012」は前バージョンの2011に比べて40%以上早くなったというのは、基本的にはどういったところのチューニングが大きかったのでしょうか?
鴇田:一番大きいのはエンジンのチューニングと、ファイルの振る舞いを監視するSONARがバージョンアップしている点ですね。この製品にはSONARとインサイトという2つの軸があります、ノートンインサイトが良いものと悪いもの、グレーなものと仕分けをしてくれます。ノートンインサイトはレピュテーションのテクノロジーが使われているのですが、良いものはスキャンもしない、悪いものは即刻削除、グレーなものだけを調べます。レピュテーション技術を使い始めてずいぶん時間が経っているため、グレーなものが凄く少なくなってきています。そこだけをスキャンすればいいので結構スキャンすべき対象というのが少なくなってきているというのが実情ですね。
例えばこの間、瞬間的にグレーなものの割合が70%近くになったときがありました。Windows 7のSP1が提供されたときで、新しいものがいっぱいやってきますので瞬間的にスキャン対象が増えましたが、すぐに多くの人がSP1を使ってレポートが上がることによって、スキャン対象がまた少なくなっていきます。使っている人が多ければ多いほど精度が上がっていくのは事実です。
――統計が勝ってきたということですか
鴇田:そうですね。
――ちなみにSONARのほうは振る舞いを見ていますよね。
鴇田:そうです。グレーゾーンが少なくなってきているため、本当にちょっとの反応でもチェックする形になっています。このSONARですが、ノートンコミュニティウォッチで収集されたアプリケーション情報を利用する「ノートン インサイト」と呼ばれるアプリケーションの良し悪しを評価する技術と組み合わせることにより、誤検知率を削減することが出来るようになりました。定義ファイルをベースにしたウイルス検知を、誤検知率を下げるためにゆるくしすぎているのが他社さん、弊社はギリギリのところまできっちりチェックをしていると受け止めていただけるといいでしょう。
――仕分けをするインサイトのデータ量というのは相当な量があるわけですよね。それは他社さんと比べてデータ量が全然違うのでしょうか?
鴇田:全然違いますね。
――例えばどれくらいなんです?
鴇田:詳細なデータ量までは聞いていないのですが、ノートン360を最初に提供するにあたり買収したデータセンター、SWAPDRIVEという会社がかなり活躍していると聞いています。
――そこのデータセンターを全部生かしてということですか。
鴇田:そうです。そこのデータセンターに集まるようにしていますので、容量はいくらでもOKと言う状況を作っている感じです。
――では最後に読者の方にメッセージを。
鴇田:先ほどもちょっと話しましたが、レピュテーションとSONARで仕分けして、さらに仕分けしたあとだけをスキャンしているので、非常に軽いソフトになっています。ノートン2012は最初のテスト段階からいい印象を持っていたので、製品が仕上がってすぐに、世間に出る前に自分のマシンにいれました。非常にいいバージョンになっていると感じています。だからノートン2011を使っている方はすぐにでもノートン2012へアップデートしていただき、何を買おうか迷っている方は迷わずノートン2012を買っていただきたいと感じています。
――ちなみに一番重かったのはどのバージョンなんです?
厳密に言うと、ノートン2006が一番重かったのです。そこからはコードをゼロから書き直すぐらいの勢いでノートン2007以降は進歩しました。私が一番お勧めしたいのはノートン2006の重さを体験して離れていったユーザーの方です。是非ノートン2012の軽快さを体験してください。認識が変わります。
――なるほど、ありがとうございました。