EDO DRAM~Burst EDO DRAMを経て
決定版のSDRAMが登場
Fast Page Modeに続いては、1995年頃に、より高速なアクセスを可能にする「EDO(Extended Data Output) DRAM」が登場して利用されるようになった。EDOは当初「Hyper Page Mode」と呼ばれており、Fast Page Modeの性能をさらに改善したものである。開発したのは米Micron社であるが、これもそれなりに広く普及した。
とは言え、EDOはチップセットとメモリーチップの対応がほぼ同時期になってしまったこともあって、Fast Page Modeほど早く普及するには至らなかった。また、キャッシュメモリーを持たないPCでは効果的だが、キャッシュを(CPUもしくはマザーボード上に)搭載するとFast Page Modeとそれほど速度が変わらないという問題や、続くSDRAMの登場などもあったため、広く普及する前に廃れてしまった。
このEDO DRAMの転送をさらに高速化した、「BEDO DRAM」(Burst EDO DRAM)というものも存在した。インテルもIntel 440FXチップセットでサポートしたが、こちらはさらに利用シーンが限られたというのが実情である。
EDOに続き、1996年から利用されるようになったのが「SDRAM」(Synchronous DRAM)である。Synchronousとは日本語では「同期」の意味だ。SDRAMはようするに、メモリーコントローラーからDRAMチップに対してクロック信号を送りだして、このクロックにあわせてデータを送受信するという仕組みである。
では「それ以前は?」というと、EDO DRAMまではRAS(Row Address Strobe)/CAS(Column Address Strobe)/OE(Output Enable)/WE(Write Enable)という4つの信号線の上げ下げで、データの送受信のタイミングを決めていた。それがSDRAMではタイミングをクロックに同期させる方式になった。さらに、アドレス線を使ってコマンドを送り出せるように変更されため、個別の信号線を使っていたRAS/CASなどをコマンドとして同じ信号線で扱えるようになり、より複雑なプロトコルを利用できるようになった。
また、クロックを供給することでパイプライン処理が可能になり、Burst EDOとほぼ同等の性能を容易に利用できるようになった。これに対応した最初の製品は「Intel 430VX」だった。430VXは必ずしも広く普及したとは言いがたいのだが、Pentium向け最後の製品である「Intel 430TX」や、Pentium II向けの「Intel 440LX/440BX」がSDRAMを全面的にサポートしたことで、1997年頃からはSDRAMが標準的なメモリーとして急激に普及するようになった。
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