マイクロソフトは5日(現地時間)、米国ラスベガスにて6日から開催される家電見本市「International CES 2011」の基調講演にて、ARMコアを採用した組み込み向けプロセッサー(SoC)用に、次世代Windowsを開発中であることを発表した。Windows CE系を除けば、x86 CPU以外で動作するWindowsの開発は、Windows NT 4.0以来15年ぶり(現時点で)。
基調講演では、同社CEOのスティーブ・バルマー氏により、次世代版のWindows(コード名 Windows 8)をARMコアを搭載するSoC向けに開発中であることが表明された。そして、ARMコアのSoCを開発・供給している半導体メーカー各社の開発機材上で、開発中のWindowsとマイクロソフト製のアプリケーション、Internet Explorer 9(IE9)やPowerPointなどが動作している様子が披露された。
デモでは、クアルコムのSoC「Snapdragon」やテキサス・インスツルメンツのSoC、NVIDIA「Tegra 2」をCPUとして使用する開発機材などで、ARM版Windowsの動作が披露された。特に、ARM系SoCの中では処理性能の高いNVIDIAの機材では、IE9が軽快に動作していたほか、HD品質の動画再生もスムーズにこなすなど、パフォーマンス面でもあなどれない程度に動いていた。また、テキサス・インスツルメンツの機材によるデモでは、エプソン製プリンターでの印刷も披露された。
ただし、動いていたWindowsはWindows 7と同じユーザーインターフェースの開発版で、実際に登場するであろうWindows 8とは異なる。画面上にちらりと映った文字を読むと、「Pre-Release Windows Operating System(中略) Build 7867」と記載されていた。またデモも、あくまでWindowsといくつかのアプリケーションや周辺機器が動作することを見せた程度である。パフォーマンスや互換性、特にx86 CPU用ソフトウェアの扱いには言及されなかったし、リリース時期の目処も特に示されなかった。
スマートフォンからタブレット端末に採用の広がるARMコアにWindowsを対応させることで、パソコン分野で築き上げたWindowsの巨大なエコシステムの優位性を、いかにして維持・拡大するのか。今後の情報から目が離せない。
なお、基調講演の詳細については、別途お届けする予定である。
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