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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第14回

Androidでハイエンド 中国ZTE、7インチタブレットも投入へ

2010年11月03日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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端末ではまだまだ中国市場が中心も
世界でトップ5を目指している

 10月後半、Motorola、Sony Ericsson、Samsungが相次いで好調な業績報告書を発表。そろってAndroid端末の成功が業績を押し上げたことを報告した。Android効果を狙うのはこれら大手ベンダーだけではない。新興ベンダーもトップ層に食い込もうと、Android活用の動きを見せている。今回はタブレット投入計画も明らかにしたZTEを見てみたい。

 ZTEは地元のライバルHuawei Technologiesと同様、通信機器と端末の両方を提供しており、端末側では携帯電話やデータ通信端末をそろえている。現時点の売上比率は通信機器が多くを占めているが、端末側にフォーカスをシフトさせているところだ。同社の2010年前半の携帯電話出荷台数は2800万台。これは、前年同期と比べると40%の増加という。

 これまで地元の中国市場を中心に安価な端末を提供してきたZTEだが、今年に入ってAndroid戦略を鮮明にしている。同社は2010年に入り、中国市場では「X850」「X876(Raise)」「R750」「N600」などのAndroid端末を投入している。スペックを見ると、3G端末のX876の場合、3.2型(解像度は240×400ドット)の画面を搭載、サイズは113×56.5×13.8mmで重さは130グラム。Android 2.1をベースとし、無線LAN/GPSもサポートしている。

ZTEの「X876(Raise)」。3.7型のWQVGA液晶とスペック的には目立つものはないが、多様なAndroid端末をリリースしている

 年末に発売となる比較的ハイスペックなHSPA端末の「X720」でもAndroid 2.1ベース。カメラは3.2メガ、画面は2.8型で解像度は240×320のQVGA液晶などが特徴となっている。なお、スマートフォンではWindows Mobile端末も持つ。

 中国市場以外のAndroid端末としては、イギリスのオペレーター“3”向けの「Racer」やフランスBouygues Telecomの「Link」などがある。価格は、2.8型の画面と3.2メガピクセルカメラを搭載したLinkの場合、端末だけで179ユーロ、契約つきの場合は9ユーロからとなっており、安価なAndroidラインに分類できる。

ZTE「Link」。欧米のキャリアでもハイエンドのAndroid端末とともにエントリークラスのAndroid端末をラインアップしている。日本でもそのような状況が来る?

 ZTEはトップ5入りを目標としており、それに向けてハイエンドとアメリカ市場を強化しているところだ。上述した2010年前期の出荷台数2800万台のうち、現在中国市場が1100万台、国外市場は1700万台とのことだ。

 調査会社のiSuppliが10月に発表したデータでは、ZTEはシェア4.2%をで見事に4位に入ったが、Gartnerの2010年第2四半期のデータでは、ZTEのシェアは1.7%で9位。中国市場の成長への依存度が高いこと、ハイエンド機種が少ないことが課題とされている。同社の携帯電話事業は伸びているが、大きな成長要因は中国で進んでいる3G端末の需要と見られている。

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