オタクツーリズムシリーズ! 「true tears」の聖地に行ってきました
今度の聖地は富山県! 城端祭レポート
2010年10月08日 22時18分更新
今回の聖地巡礼はtrue tearsの舞台!
我々アニメファンには、「五大聖地」といえる場所がある。1つは、TVアニメ「らき☆すた」の劇中で登場した埼玉県の鷲宮神社(わしのみやじんじゃ)。ASCII.jpでも今年の冒頭、初詣の模様をレポートしたことを覚えている方も多いだろう。2つめは、先日ご案内した長野県は木崎湖(きざきこ)。「おねがい」シリーズの舞台となったことはあまりに有名だ。その他、滋賀県の豊郷(とよさと)小学校旧校舎、広島県尾道(おのみち)なども含めて「五大聖地」と呼ばれているが、これからこのようなご当地アニメが作られていくにしたがって、この聖地の数も少しずつ増えていくだろう。
今回ご紹介するのは「五大聖地」最後の1つ、富山県は城端(じょうはな)。富山市から南に車で1時間ほどのところにある山間の小さな街で、その街並みから「越中の小京都」とも呼ばれる風情あるところだ。東京から鉄道で向かうなら、上越新幹線で新潟に向かい、そこから北陸本線に乗り継いでいかねばならない遠隔地である。だが、今後予定されている北陸新幹線の開業後は、東京からでも気軽に訪れることができるようになるだろう。
この小さな街が登場したのは、2008年放送のアニメ「true tears」。同名ゲームをモチーフにした完全オリジナルストーリーのTVアニメで、ここ城端がモデルといわれる小都市「麦端町」を舞台に物語が紡がれている。アニメを製作したP.A.WORKSは、ここ城端に本拠を構えており、劇中では城端をはじめ近隣エリアの風景が叙情的な雰囲気とともに登場する。
「true tears」の放送当初、富山は放送エリアから外れており、ご当地アニメにもかかわらず現地のファンは鑑賞できないという奇妙な状態が続いていた。しかし、多くの要望が寄せられたことで富山エリアでの放送が実現し、その前後から現地でも人気が爆発。自治体もアニメを使った街おこしイベントを数多く展開しており、そのあたりは同様の試みで成功した埼玉県久喜市(旧・鷲宮町)の例と似通っている部分があるだろう。
今回は「true tears」の劇中で登場した風景を辿るとともに、9月18~20日の日程で開催されたお祭り「城端むぎや祭」の模様をレポートしよう。
城端むぎや祭とは?
まずは、予習から。「城端むぎや祭」は、富山県二大民謡祭りのひとつ。その起源は平安末期、壇ノ浦の戦いに敗れて越中五箇山に落ち延びた平家一門が、日々の生活の合間にかつての栄光を思い出すように謡い踊ったのが起こりといわれている。紋付袴に刀を刺した若衆と、着物に襷をかけた女衆が、菅笠を手に独特な節回しで踊る「正調麦屋節」は、五箇山周辺の伝統的民謡踊りのひとつとして国の無形文化財に指定されている。「true tears」の劇中でも、この「城端むぎや祭」と「正調麦屋節」をモチーフにしたお祭りと民謡踊りが登場し、物語にいっそうの深みを与えているのだ。
筆者が城端の町に着いたのは、18日の朝。まずはこの街の玄関口となる城端駅で情報収集することにした。駅舎の中には観光協会の城端案内所が設けられていて、一角には「true tears」関連の展示コーナーもあるとのことだったが、あいにくこの日はお休み。駅舎から外に出てみると、街のそこかしこで、今夜から始まる「城端むぎや祭」の準備に追われていた。
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