7月14日より東京ビックサイトで「ワイヤレスジャパン 2010」が開催されている(16日まで)。初日の14日には携帯各社の経営陣による基調講演が行なわれた。
その基調講演でキャリアの中で最初に登壇したのが、NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏。「スマートイノベーション」をキーワードにNTTドコモのさまざまな取り組みが披露されたが、やはり注目はスマートフォン。
まずは概要がすでに発表されている「spモード」を紹介した。山田氏自身、Xperiaを知人に勧めてみたところ「3分の1は買ってくれたが、残りはiモードメールが使えたら買おう」という反応だったという。spモードはまさにそのような層に響くサービスと言える。Xperiaを始めT-01B(dynapocket)やSH-10B(LYNX)、SC-01B、T-01Aの各スマートフォンでiモードメールが利用可能になるほか(プッシュ対応)、ドコモマーケットでのコンテンツ購入代金がケータイの料金と一緒に支払える。
今後のスマートフォンのリリースについても言及。「当初は5機種と言っていたが、ニーズが増えている」とし、冬モデルで7機種用意していることを明言。その一部にはおサイフケータイ機能やワンセグ機能なども搭載されるという。
スマートフォンのみならず、iモード端末にもスマートフォン的な要素を加えていく。その例がドコモマーケットのiモード版である。ドコモ携帯電話で動作するiアプリは仕様が公開されており、アプリ自体は自由に制作できる(一般アプリ、勝手アプリと呼ばれるもの)。しかし公式コンテンツのように広くユーザーに提供するのは個人では不可能だ。そこでiPhoneのApp Storeのように個人でもアプリを配信できるようにするプラットフォームを用意する。これは11月スタート予定。
また2010年12月にスタート予定のLTEへの投資についても触れられた。2010年度のLTEへの設備投資額は350億円で、当初の3年間では合計3000億円にものぼる。従来の予定では、ほぼ同額を5年間で計画していたためLTEの普及をよりスピードアップさせたといえる。サービス開始時点では東名阪を中心に約1000局の基地局を設置。まずはデータ通信端末をリリースして(音声端末については2011年度から)、下り最大37.5Mbpsの速度で開始する(屋外の場合)。
すでに新聞などで報道されている端末のSIMロック解除についても、改めて山田氏によって言明された。SIMロックの解除には端末側での対応が必要であるため、現時点では対応は不可能だが、2011年4月以降に発売される機種について仕様として含め、その準備を進めているという。もちろんキャリア独自のサービスについては利用できなくなるため、ユーザーには詳細を説明した上でそれでも希望するユーザーに対して対応するという形になるとのことだ。
展示会場についてはまた別記事でレポートする予定だ。
