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あの定番無料ウェブよりもっと便利なサービスを探す! 第3回

PCにソフトを追加せずに使える無料のオフィスアプリ

2010年04月08日 12時00分更新

文● 井上繁樹

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グーグル発のウェブ版オフィスは、機能やや抑えめ
「Google ドキュメント」


 文書、プレゼンテーション、スプレッドシートの基本3機能に加え、メールなどを介してアンケート集計に使えるフォームと呼ばれるアプリがある。他のサービスと比較すると機能が絞られている。どのアプリもメニューは2~3行以内にまとめられ、フォントの選択肢も少なめ。その分、操作時に遅いと感じることはあまりない。

 シンプルで使い勝手がよく軽快な反面、Office 2007世代を含めファイルの互換性についての完成度は高くない。特に、文書とプレゼンテーションについてはエクスポート時にファイル名の日本語が“_”になってしまうなど、日本語処理の面で不安なところも見られる。

見た目どおりに機能面でもシンプルな「Google ドキュメント」

 機能面は抑えられた印象のするGoogle ドキュメントだが、スプレッドシートではガジェット(追加プログラム)を作ることで派手な演出ができるようになるという一面も持っている。

「Googleスプレッドシート」では派手目の演出も可能だ

 ユニークなのはオフライン機能。ウェブアプリなのにも関わらず、オフラインで文書ファイルの編集ができる。文書の新規作成はできない、スプレッドシートとプレゼンテーションは表示のみ、画像と図形は表示されない、など制約はあるものの、ウェブアプリならではの不便さを解消してくれる。

20ものサービスを用意 機能間の連携も○
「Zoho」


 Writer(ワープロ)、Sheet(表計算)、Show(プレゼンテーション)以外に20ものサービスを提供中。Zoho専用のアカウントに加えて、Googleやアメリカ版Yahoo!、Facebookのアカウントを使ってログインすることも可能。軽快でリッチなインターフェイスは、ウェブアプリであることを感じさせない優れものだ。

 MS Office文書以外に、Google ドキュメントからのインポートに対応。たとえばZoho Showはテーマや作図機能が充実しているので、Googleプレゼンテーションで骨組みを作って、装飾はZoho Showで行なうといった連携も考えられる。

さまざまなサービスが用意されている「Zoho」はサービス間の連携が得意。ただし、Writerで図形が貼り付けられないなど機能面で制限も

プレゼンテーションの「Show」は凝った作図も可能

 少々残念なのはZoho Showは複数オブジェクトの選択操作ができないこと。したがって細かなオブジェクトを多数用いて作図するような使い方にはには向かない。また、Writerは作図や図形の貼りつけができない(画像の貼りつけは可能)。利用する際はファイルの互換性も含めて、できることとできないことを把握しておきたい。

 モバイル版ページからアクセスすることで、iPhoneやAndroid端末からの操作も可能。他のケータイなどでもアクセス自体は可能だが、端末によっては利用できないサービスがあるので注意したい。

Javaベースで、MS Officeとのファイル互換性は強力
「ThinkFree てがるオフィス beta」


 てがるワープロ、てがる表計算、てがるプレゼンの3つのアプリで構成されている。歴史が古いサービスだけあって、インポート/エクスポート機能が優秀で、Office 2003以前のファイル形式であれば、ほぼそのまま使える。ただし、取り消し線と文字の背景色が使えない(メニュー自体無い)。インポート/エクスポートでは正しく反映されるだけにちょっと惜しい。

高いファイル互換性を持つThinkFreeだが、デフォルトではサイドに広告が表示される

 ウェブアプリといっても、実質的にローカルで動くJavaアプリなので非常に軽快に動作する。反面、起動のたびにファイルをローカルにダウンロードしなくてはならないため、編集できるようになるまでやや待たされる。さらに動作にはJavaランタイムがインストールされていることも条件となる。

Javaアプリなので機能が豊富な割に動作が高速

 外見はOffice 2003と良く似ているが、オリジナルとは違ってメニューバーは動かない点に注意。ついうっかりメニューを動かして整理したくなるが、残念ながらできない。またサイドバーに広告が表示されるが、これはスクロールバー隣の三角マークをクリックすることで消すことができる。

MS Officeがついにウェブ上に登場する
「Office Web Apps」


 マイクロソフトがOffice 2010の発売に合わせてリリースする予定になっている、MS Officeシリーズのウェブ版。現在テクニカルプレビュー中で、利用できるサービス内容はまだ限定されている。

 マイクロソフト純正なので、もちろんファイルの互換性などには問題がないはず。どのような形で提供されるのか、無料版があるとして、どの程度の機能が利用できるようになるのか、現時点では不明な部分も多いが、PCの使い方がオフラインからオンライン中心に移行している中、その動向が気になるサービスだ。

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