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あの定番無料ウェブよりもっと便利なサービスを探す! 第3回

PCにソフトを追加せずに使える無料のオフィスアプリ

2010年04月08日 12時00分更新

文● 井上繁樹

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パッケージも販売されているThinkFreeが1歩リード
「MS Officeとのファイル互換」

 MSOffice形式のファイルとの互換性において、現在のところ対応が進んでいるのは、.doc、.xsl、.pptなどOffice 2003以前の世代で用いられていたファイル形式だ。たとえば、ThinkFree てがるオフィスなら、互換性の問題をあまり感じずにファイルの編集ができる。一方、.docx、.xslx、.ppsxなどOffice 2007以降登場したファイル形式に関してはThink Freeも含め、互換性はまだまだだ。以下の表についても、Office 2003のファイルをベースに制作している。

 HTMLおよびPDF形式で出力する場合は、どのウェブアプリも問題を感じずに使えるレベルを持っている。ただし、それぞれ環境によって使えるフォントが違うため、意図しないフォントが使われて、レイアウトが変わる可能性はある。重要なファイルを作成する場合、ぶっつけ本番で利用しないほうがいいかもしれない。

DOCファイル Google ドキュメント Zoho Writer ThinkFree
てがるワープロ
インポート エクスポート インポート エクスポート インポート エクスポート
フォント
文字揃え ×
画像の配置 × × × ×
図形 × × ×
脚注
XSLファイル Google スプレッドシート Zoho Sheet ThinkFree
てがる表計算
インポート エクスポート インポート エクスポート インポート エクスポート
フォント
文字揃え
グラフ × ×
図形 × ○※1 × ×
PPTファイル Google
プレゼンテーション
Zoho Show ThinkFree
てがるプレゼン
インポート エクスポート インポート エクスポート インポート エクスポート
フォント
文字揃え ×
図形 ○※1 × ○※2

△は完全な形では受け取れないことを意味している
※1 オブジェクトに直接書き込むテキストは編集不可能な状態でエクスポート
※2 Zoho固有の「基本図形」はエクスポートできない

基本的にはテキストオンリー
「アプリ間のコピー&ペースト」

 ウェブ上のオフィスアプリの場合、コピー&ペースト自体は可能なのだが、基本的にはテキスト形式に限られるので注意したい。

通常はテキストデータしかできないが、Google ドキュメントはサーバー経由で図形もコピペできる

 図形や画像などのデータは、実質的にローカルのアプリとして動作しているThinkFreeなら、普通のソフトと同じ感覚で利用できる。残りの2つのサービスでは、画像は他のブラウザで開いた上でドラッグ&ドロップで貼りつけられることになる。図形はGoogle ドキュメント限定となるものの、サーバー上のクリップボードを経由することで切り貼りできる。

1つのファイルを共同で作る「ファイルの共有/共同編集」

 ウェブアプリならではのメリットとして、1つのファイルを複数の人間で共同で編集しやすい点が挙げられる。以前は文書ファイルなどを複数人に配布してから後で回収し、各々によって修正された部分をすべてチェックしてオリジナルに反映させるような手間が必要だったが、これが全部オンラインで済んでしまう。

複数ユーザーでファイルを共有するときは、サービス上のメニューから許可メールを他のユーザーに送る

 ファイルを共有できるのは同じサービスのアカウントを持っている人同士に限られる(例外としてGoogleは一般向けに公開する機能を提供している)。どのサービスもファイル管理画面から、招待メールを送る機能を持っている。メールを受け取った人はメール本文のURLをクリックして、サービスにログインすれば、共有ファイルにアクセスできる。権限が与えられていれば、その場で編集も可能だ。

ローカルに置いておくよりも無くしにくい
「ファイル管理」

 Windowsのエクスプローラーと同じく、ウェブ上のオフィスアプリにもファイル管理機能が用意されている。Googleなら「ドキュメント」、Zohoなら「Zoho Docs」、ThinkFreeなら「マイオフィス」がそれにあたる。

ファイルの管理機能ももちろんオンライン上に用意されている。リモートでデータを保存できるので逆に管理しやすい

 ただしローカルのPCとはちょっと違っていて、編集した順に時系列に並べられたリストが基本となる。また編集したファイルは削除しない限りリストから消えることは無いので、ファイルを無くしやすい人には逆に適していると言える。

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