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キヤノン「imageRUNNER ADVANCE」に見る

いまどきのオフィス向け複合機の実力

2009年09月25日 10時30分更新

文● 石井英男

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アプリケーションプラットフォーム「MEAP」もさらに進化

 キヤノンのオフィス向け複合機には「MEAP」と呼ばれるアプリケーションプラットフォームが搭載されている。MEAPは、Java2ベースのプラットフォームで、専用「MEAPアプリケーション」を複合機上で動かすことができるというものだ。

 例えば、「ICカード認証 for MEAP」を利用すれば、入退室管理用の社員証など既存のICカードを利用して、個人認証を行い、デバイスの管理が可能になる。また、「imageWARE Accounting Manager for MEAP」を利用すれば、各個人の利用枚数やカラー率などの利用状況を把握することができる。

 このようにMEAPは、キヤノンのオフィス向け複合機をフルに活用するために、非常に重要な存在である。MEAPの強みは、デバイス(複合機)内で完結したソリューションであり、サーバーを必要としないことや、キヤノンMJでパッケージングや販売、一次サポートまで行ってくれることである。

 しかし、その半面、メモリやパフォーマンスなどデバイス特有の仕様制限があることと、1台ずつの管理負荷がかかること、Windowsアプリケーションとの連携ができないこと、ベリフィケーションが必要で、開発から提供までに時間がかかるといった課題もあった。


MEAP ADVANCEで何が変わるか?

 imageRUNNER ADVANCEでは、MEAPが「MEAP ADVANCE」へと進化しているが、MEAP ADVANCEは、従来のMEAPの強化版(リソース/機能拡大)に、新たに「MEAP Connector」と「MEAP Web」が加わり、三本柱から構成されることになる。MEAPの強化点としては、メモリサイズが20~32MBから4倍以上の128MBになるなどリソースの拡大、画面サイズや色数などの向上、コマンド体系の改善といった基本機能の強化に加えて、機能別認証やFAX送信、デバイスの宛先表の参照といった新機能が追加された。

MEAP ADVANCEの強化点。新たに「MEAP Connector」と「MEAP Web」が加わった

MEAPの強化ポイント。メモリサイズなどのリソースが拡大し、画面表示力も向上。新機能も追加された

新機能の一つ「機能別認証」。特定の機能を選択した際にのみ認証を要求することが可能になった

 MEAP Connectorは、スキャン、プリント、送信などの一連の動作を組み合わせて定型業務化するWorkflow Composerに、外部システムとの通信機能を追加するものだ。MEAP Connectorを介することで、SMBサーバーやFTPサーバー、Office SharePointサーバーなどとの連携が可能になる。MEAP Connectorは、2009年10月にConnector SDKの提供が開始され、ほぼ同時期にキヤノンから5つのConnectorがパッケージ製品として販売される予定になっている。

MEAP Connectorの概要。Workflow Composerに、外部システムとの通信機能を追加する

MEAP Connectorを使ってファイルを転送する手順。Workflow Composerから、「To SMB」などのフローを選ぶ

 メリットは、デバイス側ではウェブブラウザのみを動かせばいいため、デバイスのリソースの制限をほとんど受けず、より高度で複雑な処理を行うアプリケーションが開発できることと、ベリフィケーションが不要で、アプリケーションを作ったらすぐに利用でき、UIの変更なども柔軟に対応できることだ。使い慣れたウェブ開発環境を利用して開発ができ、ライセンス管理も不要なので、システムインテグレータ独自のソリューションをすばやく開発・提供するのに最適だ。

 MEAP Webは、ウェブサーバー上のアプリケーションでデバイス(imageRUNNER ADVANCE)の機能を利用して、imageRUNNER ADVANCEをシンクライアント化する新しいアプリケーションプラットフォームである。imageRUNNER ADVANCE側にオプションのウェブブラウザと追加モジュール(MEAPアプリケーション)を追加するだけで、サーバー上で動作するウェブアプリケーションを利用できるようになる。

設定内容を確認し、「スタート」をタッチする

ドメインとサーバーを選んで、ユーザー名とパスワードを入力し、SMBサーバーにログインする

格納先とファイルの情報を指定して保存する

キヤノンからパッケージ製品として発売予定の5つのMEAP Conncetor

 MEAP Webを利用することで、紙の資料を扱うさまざまな業務の効率を上げることが可能になる。例えば、出張費精算をする場合なら、まず、出張者がPCから出張申請を行い、上司の承認を得る。出張から帰ってきたら、imageRUNNER ADVANCEで領収書をスキャンし、そのデータを添付して上司に送れば、再度上司が承認して、人事にその情報が送られ、出金処理が行われることになる。MEAP Webを利用すれば、領収書のスキャンとデータの送信を、imageRUNNER ADVANCE上のウェブブラウザから行えるわけだ。

MEAP Webの概要。imageRUNNER ADVANCEをシンクライアント化する機能だ

MEAP Webを利用するには、オプションのウェブブラウザが必要

MEAP Webの事例紹介の一つ。出張費精算の流れ

MEAP Webの想定ケース。大学などでの学生証明書類の発行

 また、大学などで、成績証明書や在学証明書、行事予定表、カリキュラムなどの書類を発行してもらう場合も、MEAP WebとICカード認証機能を使うことで、imageRUNNER ADVANCEの液晶画面で、必要な書類をタッチして選ぶだけで、校内ネットのサーバーに保存されているデータにアクセスし、そのimageRUNNER ADVANCEから必要な書類が印刷されて出てくるといったサービスも実現できる。

MEAP ConnectorとMEAP Webの狙い。この両者によってimageRUNNER ADVANCEのプラットフォームとしての可能性が大きく広がる

MEAP Webにより、システムインテグレータによる自由な開発・販売が可能になった

 このように、MEAP Webは柔軟な活用が可能であり、さまざまな業務の効率化を実現できることが利点だ。MEAP Web SDKは2010年中頃にリリースされる予定で、キヤノンがMEAP Webのパッケージ製品を販売する予定はなく、システムインテグレータに自由に開発してもらいたいとのことだ。


まさに新世代のオフィス向け複合機と呼ぶにふさわしい製品

 このように、imageRUNNER ADVANCEは、オフィス向け複合機メーカーとして高いシェアを誇るキヤノンの最新モデルだけあって、高機能と使いやすさを両立させており、複合機としての完成度は非常に高い。

 オフィスで利用している複合機が古くなり、リプレースを考えているのなら、imageRUNNER ADVANCEは有力な選択肢としてオススメできる。ファームウェアのインターネット経由のアップデートにも対応しているほか、HDDの増設なども可能であり、拡張性や将来性も十分だ。さらに、MEAP ADVANCEによって、imageRUNNER ADVANCEの可能性はさらに大きく広がる。ネットワーク環境が整ったオフィスにおいて、imageRUNNER ADVANCEはその真価を最大限に発揮できるのだ。

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