WiMAXがVAIO type Pを真のモバイルパソコンに変える
VAIO type P内蔵を選択できるWiMAXの特長は、通信速度の早さと接続エリアの広さだ。通信速度は速いものの接続がホットスポット周辺の限られる無線LANに対し、WiMAXは無線LANとほぼ同程度の速度とより広い接続エリアを持つ。すでに国内の大都市圏でWiMAXサービスが開始されている。
UQ WiMAXとは
UQ WiMAXは、7月から正式サービスが開始された、UQコミュニケーションズが提供する高速モバイルインターネット接続サービス。公衆無線LAN並の通信速度、それに加えてドコモやイー・モバイルなど無線WANサービス並の広いサービスエリアの、両者のいいとこ取りを目指している。接続速度は下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsを謳い(接続する機器によって異なる)、現在首都圏など大都市圏を中心にサービスエリアを拡大している。契約プランは月単位、あるいは日単位(10月から)。長期契約縛りもないため、普段は無線LANを使い、出張の時だけ日単位でWiMAXを使う利用法もある。
小型軽量で取り回しの良いVAIO type Pに 、データ通信カードをUSBインターフェース経由で接続するのは、持ち運びの際にも不便、キー操作の際も邪魔だ。何より内蔵と外付けで接続の手間は大きく違う。
データ通信カードでインターネット接続する場合は、(1)データ通信カードを取り出してUSBコネクターに挿し、(2)接続ユーティリティが起動するのを待ち、(3)ユーティリティの接続ボタンをクリックして基地局を探索するという流れになる。 文章で書くと簡単だが、データ通信カードをパソコンに挿して認識させるには待ち時間が必要で、急いでいるときは結構イライラすることも。パソコンの状態によっては、データ通信カードを認識してくれず一度抜いてから挿し直しや、時にはパソコンの再起動が必要なこともある。とにかく面倒な作業なのだ。
VAIO type P WiMAX内蔵モデルの場合、WiMAXサービスエリア内であればVAIO type Pの起動と同時にネット接続完了だ。VAIO type Pのベースモデル価格は6万4800円、WiMAX内蔵オプションを追加すると7万4800円である。1万円の追加投資でWiMAXモジュールが内蔵できる。VAIO type Pに内蔵できるWiMAXモジュールは市販されておらず、購入時にオーナーメードでWiMAX内蔵を選択しておかないと二度と入手できない。余計な出っ張りと接続の手間を省けることを考えるとVAIO type P(WiMAXモデル)を選ぶメリットは大きい。
ネットブックより小さく、ネットブックより使えるVAIO type P
VAIO type Pのキーボードは、 キーピッチが16.5mmでキーストロークが1.2mmでやや小型だ。 しかしソニー独自の飛び石状にキーが配されたアイソレーションキーボードにより、キー入力に特に不自由は感じない。表示解像度は1600×768ドットの8型ウルトラワイド液晶で、XGA(1024×768ドット)表示をさらに横に1.5倍した広い表示エリアだ。 ソニーによるとVAIO type Pの2009年春モデルのCPUとストレージの選択率は、Atom Z540(1.86GHz)が73%、Atom Z530(1.6GHz)が16.8%、Atom Z520(1.33GHz)が10.2%、SSD 64GBが52.7%、SSD 128GBが34.2%、HDD 60GBが13.1%。高速CPUと耐衝撃・高速アクセス性のSSDを求めたユーザーが多いことがわかる。2009年の夏モデルは、ユーザーの期待に応えられるよう、CPUの最高速度がAtom Z550(2.0GHz)になった。Atom Z550の採用は、Atom N270(1.6GHz)/N280(1.66GHz)が主流のネットブック系パソコンとの最大の違いだ。
VAIO VGN-91NS/P91S/P91HS(WiMAX内蔵直販モデル) | |
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項目 | 内容 |
直販価格 | 構成によって異なる |
CPU | Atom Z550(2.00GHz)/Atom Z530(1.60 GHz)/Atom Z520(1.33 GHz)から選択 |
OS | Windows Vista Business 32ビット版/Windows Vista Home Premium 32ビット正規版/Windows Vista Home Basic 32ビット正規版から選択 |
サイズ | 約245(幅)×2120(奥行)×19.8(高さ)mm |
重量(g) | 約636g(標準バッテリー搭載時:構成により異なる) |
画面サイズ | 8型ウルトラワイド UWXGA半透過型TFTカラー液晶/1600×768ドット |
グラフィック | インテル グラフィックス・メディア・アクセラレーター 500 |
メモリー | 2GB(最大) |
ストレージ | 64GB SSD/128GB SSD/256GB SSD/60GB HDDから選択 |
ドライブ | なし |
無線LAN | IEEE802.11nドラフト2.0、IEEE802.11b/g準拠 |
Bluetooth | Bluetooth Ver.2.1+EDR準拠 |
モデム | なし |
バッテリー | 標準バッテリー/大容量バッテリー |
TV機能 | ワンセグチューナーを選択可 |
Windows 7アップグレードキャンペーン
ソニーはWindows VistaからWindows 7へのアップグレードキャンペーンを発表している。対象は2009年6月26日から2010年1月31日までに購入したパソコンで、導入OSがWindows Vista Home Premium(Windows 7 Home Premiumにアップグレード)、Windows Vista Business(Windows 7 Professionalにアップグレード)のモデルが対象。Windows Vista Ultimate(Windows 7 Ultimateにアップグレード)
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