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新聞編(3)――プレスリリースを記者クラブに「投げ込む」方法とは

2007年04月11日 09時00分更新

文●朝日奈 ゆか/株式会社ユンブル 代表取締役

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記者クラブに持ち込むと、新聞社、テレビ局、地方にまでいっせいに配信される

 東京と大阪を拠点に、地方のあちこちを出張で歩いていていちばん楽しいのが4月。3週間ほどにわたって桜満開を各地で味わうことができるからです。特に今年は、東京より大阪のほうが4~5日も開花が遅く、東京でのお花見のあと、2週目には大阪と京都でまたもや桜吹雪を堪能することができました。どこに行ってもピンクの花が待っていてくれる風景に包まれると、新たな意欲、向上の心が湧いてくるから不思議です。

 前回の第18回では、新聞社にプレスリリースを送る方法を述べましたが、新聞社にプレスリリースを送るにあたって、もうひとつ有効な方法があります。それは、「記者クラブ」に配布することです。

 「記者クラブと聞くととてつもなく敷居が高いようなイメージですよ。うちのプレスリリースなど、受け取ってくれるのでしょうか」とよくたずねられますが、けっして臆することはありません。記者クラブとは、マスコミの人たちがいっせいに集う場所ですから、当然、記者たちは毎日、手ぐすねを引いて画期的なニュースを待っているわけです。配布と同時に、すばやく確実に自社のPRができる機関だと認識してください。

 記者クラブとは、官公庁などの行政機関(首相官邸、省庁、県庁、市役所など)や、民間の団体、企業の業界ごとに、各新聞社とテレビ局、共同通信社や時事通信社などニュース配信会社の記者たちがひとつのクラブ室にデスクを並べ、ニュースの受発信作業を行なう記者たちの集まりのことをいいます。通常、各社ごとに仕切られたブースに机と椅子、ソファーが設置されています。

 社会事件が起こると、警察の幹部が警察内にある記者室でクラブにつめている記者たちをいっせいに集め、記者発表を行なうシーンをよく見かけますね。これを受けた記者たちは、自社の媒体に記事をおこして全国に発信しています。

記者クラブの幹事の会社に連絡して配布方法をたずねる

 記者クラブは、政府や警察などの官公庁に設置されていますが、一方で、情報通信、旅・レジャー、証券、金融、機械、食品、不動産、自動車などの民間の営利業界を対象とした記者クラブも多数存在しています。これが、企業の新商品のニュースなどを広く消費者に伝えるための記者クラブです。
宣伝したい企業側にとっては、各新聞社に個別にプレスリリースを配布するよりも、記者クラブを通して配布すると、新聞、テレビ、ニュース配信社のマスコミが参加しているので、地方にくまなく配信されるというメリットもあります。

 全国にいろいろな記者クラブがありますが、流通サービスの業界で中小企業向けの「東京商工会議所記者クラブ」「大阪商工記者会」「福岡経済記者クラブ」「中部経済産業記者会」などは一般企業のニュース展開に利用しやすい機関です。ほか、多岐にわたる記者クラブの所在は『広報・マスコミ ハンドブック PR手帳』などで調べることができます。

 記者クラブにプレスリリースを配布することを、業界では「投げ込み」といいます。毎月、持ち回りでクラブを取り仕切る「幹事社」が決まっているので、プレスリリースを投げ込みたい日が決定したら早めにそのクラブに電話をし、幹事を務める会社に「プレスリリースを配布したい」と挨拶をします。 
 その上で、配布方法、決まりごと(クラブごとに投げ込むに関する具体的方法の決まりごとがあります)などを確認し、配布当日に記者クラブ内にある各社の資料棚に配布する、というのが一般的な方法です。

 冒頭でもお話したように、もしもあなたが「記者クラブなんてとても敷居が高い」と思われるのであれば、プレスリリースのニュースの内容を見直すことをおすすめします。マスコミや記者クラブの機関そのものが巨大で得体が知れないもののように感じる気持ちもよくわかりますが、自社ニュースに自信があれば、その「得体のしれない存在」に挑戦する気持ちが湧いてくるものです。
そして、一度利用してその方法を知れば、クラブを通す意義や有用性を感じることができて、あなたのビジネスの次の展開を見つけることにつながっていくでしょう。

 春の陽気にのって気持ちを奮い立たせ、この機会にマスコミへの扉をたたいてみてください。 

著者プロフィール

名前 朝日奈 ゆか info_email_01[アットマーク]yumble.com
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。
会社 株式会社ユンブル
サイト http://www.yumble.com/

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