ヤマハ(株)は10日、渋谷ARTスタジオで、独スタインバーグ・メディア・テクノロジーズ(Steinberg Media Technologies)社の音楽制作ソフト『Cubase 4』と『Cubase Studio 4』を出版関係者向けにデモした。製品発表自体は1日に行われており、今回はデモを交えながら、主要機能の解説が行なわれた。
『Cubase 4』(左)と『Cubase Studio 4』(右)のパッケージ |
ワークフローの省力化が新バージョンの注力ポイント
デモに先立ち挨拶した、ヤマハMP推進部副部長の小島氏 |
従来版から特に強化されたのがインターフェース周りで、ワークフローを省力化する“SoundFrame(サウンドフレーム)”という新GUIを搭載している。SoundFrameは、複数の機能によって構成されているが、核となるのが“メディアベイ”と呼ばれる検索ウィンドウだ。トラック制作に必要な音源、ループ、オーディオクリップ、MIDIファイルなどの検索とプレビューを1つの画面内で行なえる。
また、各種エフェクトやソフトウェアシンセの機能を提供するプラグインセット“VST(Virtual Studio Technology)”も最新の“VST3”にバージョンアップした。VST3では、各プラグインに詳細な属性情報が付加されており、メディアベイからの検索時に参照できる。インターフェースに関しては、これ以外にもミキサーやスコアエディターなどの操作性を高める改善がなされている。
会場では、ヤマハMP推進部副部長の小島高則(こじま たかのり)氏が挨拶。Cubase 4がCubeseシリーズとしては約2年ぶりのメジャーバージョンアップになった点に触れながら、「ヤマハはスタインバーグ製品の販売を今年6月1日に開始したが、その中でもCubaseシリーズはヤマハの音楽制作ビジネスにとって非常に重要な製品」と話した。
メディアベイ | ミキサー | VST3プラグイン |
Cubase 4ファミリーの主要機能 |
価格はともにオープンプライスで、12月中旬の発売を予定。編集部による予想実売価格は、ハイエンド向けのCubase 4が11万円前後。ミドルクラス向けのCubase Studio 4が6万円前後となる。Cubase Studio 4は、付属するVST3対応プラグイン/インストゥルメントの数に制限があるほか、コントロールルームやサラウンド機能が利用できない。通常パッケージに加え、従来バージョンからのアップグレード版の提供やアカデミーパッケージの提供も行なわれる予定だ。
対応OSはWindows XPまたはMac OS X 10.4以上で、今回からIntel Macにもネイティブ対応した(一部プラグインを除く)。