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W-ZERO3

W-ZERO3

2006年01月04日 00時00分更新

文● 編集部・小林 久

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インターネットを利用したメモツールとしての活用

  W-ZERO3の背面には133万画素のCMOSカメラが搭載されている。筆者は普段からデジタルカメラを持ち歩いているため、特に必要性を感じていなかったのだが、会議中のホワイトボードや駅の時刻表を撮影するといった、簡単なメモ取り用途などではかなり便利に使える。W-ZERO3の液晶ディスプレーは3.7インチでVGA表示に対応しているため、2.4インチ程度でQVGA表示対応の携帯電話機やPHSなどに比べて細かな文字がギッシリと書かれた被写体を撮影した際にも内容を確認しやすいし、通信機能はもとより、文書編集も容易に行えるため、出先で見つけた面白いものをブログに公開するということも簡単にできる。インターネットのブログサイトを画像付きのメモ帳にするといった使い方も面白そうだ。W-ZERO3は最大1280×1024ドットでの撮影が可能だが、標準のビューアーソフトにはリサイズしてメールに添付する機能などもある。

リサイズ トリミング
画像をPhotoshopで縦640ドットにリサイズしたもの(JPEG圧縮率:8)。画像の一部をPhotoshopでVGAサイズにトリミングしたもの(JPEG圧縮率:8)。
W-ZERO3で撮影した画像。モデルがかぶっている耳のアクセサリーの毛の部分の表現などで解像感などを確認して欲しい。蛍光灯下の室内のためそれほどよい撮影条件とはいえないが、明るさは十分で、メモ用途なら問題なさそうだ。

  マルチメディアやビジネス関連のソフトを豊富に収録している点もW-ZERO3の魅力である。Windows Mobile搭載ということで、Wordや Excelファイルの表示/編集、PowerPointファイルの表示、Picsel PDF ViewerによるPDF文書の表示、 Windows Media Playerを利用した動画や音楽の再生なども可能だ。Windows Media Playerは著作権保護機能 (DRM)にも対応しており、パソコンのWindows Media Player 10からDRM付きの音楽ファイル(WMA形式)を転送し、携帯型音楽プレーヤーとして使うこともできる。

WMP10 PowerPoint
Windows Media PlayerでMPEG-4形式の動画を再生したところPowerPointの再生もできるので、ちょっとした商談などでも利用できそうだ
Excel1 Excel2
Excel Mobile。表計算としての基本機能を備えており、右の画面のようにグラフも作成できる

  また、PPTPとIPSecによるVPN接続にも対応しているなど、企業ユースでも活躍しそうだが、リモートデスクトップクライアントは標準では付属しておらず、マイクロソフトのサイトで配布されているWindows Mobile 2003対応のクライアントも現状では利用できないようだ。これは少々残念な部分である。



真価はこれから、自分なりの活用方法を

  以上、W-ZERO3の主要機能を3回に分けて紹介してきた。発売からすでに2週間が経過したが、「依然として品薄」という話も聞くように、W-ZERO3は2005年の年末商戦向けに発売されたデジタル関連機器の中で“最も注目を集めた製品のひとつ”となった。

発売当日の風景 W-ZERO3モックアップ
W-ZERO3発売当日の風景

  第2回で述べたように、W-ZERO3にはPHS電話機的な側面とPDA的な側面があり、両者の作法の違いによって少々戸惑いを感じさせる部分もあるが、こういった問題点もちょっとした改良で改善できるのではないかというのが筆者の考えだ。

W-ZERO3ガイドブック
W-ZERO3ガイドブック(アスキー刊)

 ウィルコムは、発売直前に「Opera for Mobile」と「NetFront」のダウンロード提供するなど、ユーザーの利便性を改善するために積極的な試みを行なっており、今後もこういった取り組みに期待したい。さらに、ユーザーが増えれば、サードパーティー製の使い勝手のいいアプリケーションやユーティリティーも増え、腕に覚えのあるプログラマーが自作のソフトをインターネットに公開するといったケースも増えてくるのではないかと予想する。ユーザー自身の手で後からソフトを追加してパワーアップできるという点はW-ZERO3の大きな魅力のひとつであり、コミュニティーの盛り上がりにより、W-ZERO3がどのような進化を遂げていくかも注目していきたいポイントである。

  現状では比較的マニア層に向けた端末という印象もあるが、W-ZERO3の豊富な機能は経験を問わず多くの人々に体験してほしい、というのが筆者の正直な気持ちである。特にウェブブラウジングに関しては非常に優秀なので、ユーザー側でも積極的にW-ZERO3の操作に慣れ、その真価を発揮してほしい。W-ZERO3人気を裏付けるように、関連書籍も各社から登場しており、そういった書籍も参考になるはずだ。手前味噌になるが、弊社からも「W-ZERO3ガイドブック」 (1029円)というムックが販売されている。この種の書籍は中上級ユーザーをターゲットにしたものが多いのだが、この本では初心者が迷いそうな操作の詳しい解説や定番オンラインソフトなどの情報も豊富に掲載されているので、W-ZERO3の操作に迷ったら、ぜひ手にとってもらいたい1冊である。



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