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【特別企画】モバイル真骨頂! シャープに聞くW-ZERO3の素性

2005年11月04日 19時14分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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主役はウェブブラジングとメール

[遠藤] この画面とキーボードのスライドができたから端末を作りたくなったと勘ぐりたくもなるんですが(笑)。W-ZERO3で特徴的なのは、やはりこの画面とキーボードですよね
インタビュー風景
[廣瀬氏] W-ZERO3は当初から大画面液晶とキーボードありきだったんですよ。まず液晶画面ですが、パソコン向けのウェブ閲覧や長文メールのやりとりといった“データ通信”にはある程度大きくて、解像度の高い液晶画面が必要だったんです。もちろん、他の移動機との差別化という要素もありますが。そのような状況下、現行の携帯電話機のほとんどが採用している2インチ台の液晶パネルではなく、やはりザウルスで使っていたような3インチ台の液晶パネル。その中でいろいろ模索したんですけれども、やるなら解像度はQVGA(320×240ドット)でなくVGA(640×480ドット)でと考え、最終的に3.7インチのモバイルASV液晶(6万5536色表示)となったんです


W-ZERO3のキーボード。下段はバックライトが点等しているところ
W-ZERO3のキーボード。下段はバックライトが点等しているところ
[遠藤] キーボードは、普通の携帯電話機のようなテンキーではなく、フルキーボードのほうがふさわしいと考えたと
[廣瀬氏] 確かにテンキーを支持する意見もあったのですが、W-ZERO3の商品性はウェブサイトがきっちり見られるところや、パソコンのメールをやり取りできるところにあるので、フルキーボードのほうが操作しやすいという結論になりました。このあたりは実際、ザウルスで検証してきた領域なので確信があります。最終的には、QWERTY配列でかつ親指でシフトできるというコンセプトに基づいて、親指の動きに合わせてキーを扇形に並べました。それでも押しにくいキーは大きくデザインしたり、暗がりでもキー操作しやすいようにバックライトを搭載したり、さまざまな工夫が詰まっています。ちなみにキーが光るのは、ザウルスで実現できなかったので個人的には夢でした
[遠藤] GSM携帯電話機は液晶画面の下にフルキーボードを搭載しているタイプが多いし、ザウルスはキーボード部と画面部が別れた折りたたみタイプだし、なぜW-ZERO3はスライド式キーボードなのでしょうか
[廣瀬氏] 大画面液晶とQWERTY式キーボードを同時に実現させようとすると、本体の表面積がどうしても大きくなってしまう。Sidekickのような“ギミック性”が欲しいという意見も挙がりましたね。それで、2大要素をマージしたときに一番スマートに収まる形として、それらを重ねてスライド式キーボードにするのが最も素直だという結論になりました


PSION 5
PSION 5
[遠藤] 個人的には、このスライドするキーボード、実際には画面が上にスライドするわけですが、かなり気に入っています。もちろん、Linuxザウルスで“半ケツキーボード”とか“パンツズリ落ちキーボード”とか呼ばれるスライド式が出たときも驚いたわけですが。こういうギミックは、PDAの世界だと英国のPsion(サイオン)社とかの得意分野でしたよね。『PSION 5』(写真)の液晶を開くとキーボードが手前に滑り出て、液晶の下のほうもカラクリのように本体中央にヒンジがあるかのような安定した状態になる。あのあたりとくに好きだったとかあるのですか?
[廣瀬氏] とくにそういうことはないです




より薄く! より強く! 調整は続く

W-ZERO3
キーボードを閉じた状態での本体のサイズは幅約7×奥行き2.6×高さ13cm。開いた上体では幅が11cm程度(編集部実測)になる
[遠藤] これ現物を持ってみると意外に小さいですね。PDAの標準サイズは、8×12cmだという説があって、これがポケットになんとか入るサイズだというのです。ちょうど、CDとCDシングルのサイズなのでありますが。つまり、幅が1cm狭いのですが、これが意外に利いていますね。思ったより違和感がないという人か多いようです
[廣瀬氏] そうですね。これは、2インチクラスで解像度がQVGAの液晶パネルを搭載している携帯電話機と比較した時に、VGAの強みを考えると、ザウルスで定評のあった3インチクラスの液晶パネルを使いたいという流れの中で出たものですから。W-ZERO3のモックアップを見せて大勢の人に指摘されたのは、キーボードを閉じて縦方向に構えた時に、高さ(130mm)はあまり気にならないが、手になじまないと移動機としては認められないと。それで、液晶のフレームをできる限り狭くして、筐体のエッジをまるめて、数mmの世界で最後の最後までディスカッションしましたね
[遠藤] 採用に迷ったデザインはありますか? 例えばもっと“ガンダム”系とか
[廣瀬氏] 人によっては十分それらしいと言う人もいるのですが(笑)。デザインは最初からこれでしたね。一般的に、ほとんどの製品はやはりデザイナーが試行錯誤を繰り返すのですが、この製品については一発目のデザインから「あっ、結構悪くないね」と周囲の反応は良かった。もちろん、もう少し遊んだ案はあったのですが、やはりメインターゲットがビジネスコンシューマー層なので、ある程度の“さりげなさ”が必要と。最終的には、うまくまとまったと思います
[遠藤] ビジネスコンシューマーという意味では、ワイシャツの胸ポケットに入るけれども、もう少し薄いとありがたいですね
[廣瀬氏] やはり“厚み”というポイントはありますね。スライド機構を設計する上でクリアランス(ゆとり)の調整は神経を使うところで、できるだけ薄くしたいですし、きつすぎると本体に傷がつきますし。調整はまだ続いておりまして、これ(展示機)ですら最終ではありませんから。ちなみに、キーボードを閉じた際にしっかり閉まるように、磁石が内蔵されているんですよ
[遠藤] 磁石はいいですね。気持ちよくカチっと閉じる。なんか、こう片手で持っていると無意識のうちについカチカチと開閉しちゃいますよね 。今年の暮れには、地下鉄の駅とかでコレをスパンと開ける風景があちこちで見れそうですね。とにかく、この端末は“文化を作る端末”というところがいいですね。携帯をにらみ付けて親指1本でピコピコやっているのが、なんだか仕事ができない奴みたいな感じになるかもしれません




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