VAIO type R『VGC-RC50L7』17インチ液晶ディスプレー付属の店頭販売モデル |
ハイエンドなスペックと高い拡張性を備え、ビデオ編集用途を重視したフラグシップデスクトップパソコン“VAIO type R”シリーズは、筐体デザインが一新されたほか、新機能搭載とスペック向上など、さまざまな強化が施された新製品に生まれ変わった。
VAIO type Rの本体。銀色の部分の内部はHDDベイとなっている | 側面写真。従来のtype Rとは異なり側面に縦型の開口部が空き、ここから吸気し、写真では穴の右側にあるCPUを冷やしている |
従来のtype Rは、本体の側面に左右に貫通した横型の開口部があり、内部冷却用の空気取り入れ口になると共に、デザイン上のアクセントにもなっていた。新しいtype Rでは開口部の位置が変わり、本体の前方寄りに縦型に配置された。開口部から取り入れられた外気は、その内側のCPU、チップセットなどを冷やして背面に排気されるほか、その上にあるグラフィックスカードやMPEG-2エンコーダカードを冷やし、上側にある電源ユニットのファンを経由して排気されるようになっている。開口部手前にある銀色の部分はHDDベイとなっていて、内部にはシリアルATAの3.5インチHDDを最大4台まで搭載可能となっている。側面のベイカバーは開けやすく、2台ずつ収納するベイユニットも取り外しやすいように設計されていて、交換・増設がしやすくなっている。またHDD冷却用の外気も、開口部から取り入れられるようになっている。
ハードウェア面での特徴としては、type Vと同じく2つのアナログTVチューナーとMPEG-2エンコーダーチップ“XCodeII-L”を搭載するエンコーダーカードを搭載する点が挙げられる。これにより2番組の同時視聴、録画が可能となっている。また前機種から継承された機能だが、XCodeII-Lのエンコード機能を生かし、HDV映像(※2)のキャプチャー時に“プロキシファイル”と呼ばれる参照ファイルを生成する機能を持ち、ビデオ編集時の処理時間短縮に役立っている。ビデオ編集関連のソフトウェアも、ビデオ編集ソフト“Adobe Premiere”シリーズやPremiere用プラグイン『VAIO Edit Componets Ver.5.0』、MPEGエンコードソフト『TMPGEnc 3.0 Xpress for VAIO』など、豊富に備えているのも特徴である。
※2 miniDVテープに1080iのHD品質のMPEG-2映像を録画する規格で、ソニーのハイビジョンハンディカム『HDR-HC1』などで撮影できる。映像ビットレートは約25Mbps。店頭販売モデルの“VGC-RC50”シリーズには、本体のみの『VGC-RC50』と、17インチ液晶ディスプレーをセットにした『VGC-RC50L7』がラインナップされている。本体仕様は共通で、CPUにはデュアルコアのPentium D 820-2.80GHzを搭載。1GBのメモリー、320GBのHDD(160GB×2台)、DVDスーパーマルチドライブ(DVD+R DL記録対応)を搭載している。グラフィックスカードには“GeForce 6600”を搭載するPCI Express x16カードを採用している。
一方でソニースタイルのオーナーメイドモデル(CTOモデル)『VGC-RC70PS』『VGC-RC70S』では、CPUにPentium D 820とPentium D 840-3.20GHzの2タイプが用意されるほか、メモリーは最大2GB、HDDは最大2TB(500GB×4台)を選択可能となっている。液晶ディスプレーセットのバリエーションが豊富なことも特徴で、17インチSXGA(1280×1024ドット)3タイプ、19インチSXGA 3タイプ、さらに20インチワイド(1680×1050ドット)のTVチューナー内蔵液晶ディスプレーや、23インチワイド(1920×1200ドット)液晶ディスプレーなど、合計8タイプも選択可能となっている。
付属のキーボードには、キーボード右上にはFeliCaポートが装備されている。インターフェース類としては、USB 2.0×7(前面3、背面4)、i.LINK×2(前面4ピン、背面6ピン)、10/100/1000BASE-T LAN、DVI-D出力、アナログディスプレー出力、光オーディオ出力端子、TVアンテナ入力、Sビデオ入力×2、ビデオ入力×2、V.92モデム用モジュラージャックなどを備える。メモリーカード用スロットとして、PCカード(Type II)、コンパクトフラッシュ Type II、メモリースティックスロット(標準/Duoサイズ、メモリースティックPRO対応)、SDカード/MMC用スロット、xDピクチャーカード用スロットなどをそれぞれ1つずつ備える。
予想実売価格は、ディスプレー付属のVGC-RC50L7が25万円前後、本体のみのRC50が20万円前後。またオーナーメイドモデルはOSにWindows XP Home Editionを搭載するVGC-RC70Sが14万円から、Windows XP Professionalを搭載するVGC-RC70PSが16万円からとなっている。
VAIO type Rの主なスペック
- VGC-RC50
- Pentium D 820-2.80GHz/1GBメモリー/GeForce 6600/320GB HDD(160GB×2)/DVD+R DL対応DVDスーパーマルチドライブ/ダブルアナログTVチューナー搭載/Windows XP Home Edition SP2
- 20万円前後/9月17日発売予定